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八月十九日 壱【一方通行編】

とある病室。

「退院おめでとうだね?」

カエル顔の医者は患者であった少年に言う。
ベッドの上に座っていた少年は看護士に手渡された松葉杖を両脇に抱えながら、どうにかベッドから立ち上がった。
少年の目の前には彼らの両親が立っており、彼らはそれを見ながら奇跡に涙した。
なぜなら、この少年はとある事故に巻き込まれて、数ヶ月前に2度と立ち上がることは愚か今後一生の内に下半身が動く事は無いだろうとまで診断されたのだ。
それが、今や松葉杖を持ちながらとは言え自力で立ち上がるまで戻ったのだ。
これが奇跡と言わずして、何と言うか。
両親達は横に立つ、カエル顔の医者に一生を掛けても足りないとばかりに感謝の言葉を述べた。
しかし、カエル顔の医者は首を振り、両親達に少年の方を見るように促した。
両親が少年の方を見ると、奇跡はまだ続いていた。
少年は松葉杖を突きながら、両親達に向かって歩いていたのだ。

それは生まれたての子馬の様に頼りない動きだったが、それでも少年は歩いていた。
一歩、一歩、少年が両親達の元へと歩く。
その姿は両親達の目には涙に霞んで歪んでいたけれど、それは数ヶ月前の涙の理由とは違う。
少年が両親達の元へと辿り着き、彼らが抱き合いながら涙を流す姿を背に『冥土帰し(ヘブンキャンセラー)』はその場を去る。
彼らの話にもう『冥土帰し』は必要ない。
だから『冥土帰し』は彼らの人生の舞台から退場した。
そして彼は次の舞台へと向かう。
それが彼の仕事なのだから。





ふと、そんな舞台から降りたばかりのカエル顔の医者は1階の廊下で振り返った。

「やぁ、来たんだね?」

背後から声をかけて来た少女に、来るのは分かっていたと言外に言う。
少女はツインテールを揺らしながら意を決するように尋ねた。

「唯鷹…綾峰さんを探しておりますの。どこにいるか、あなたならご存知かもと伺ったのですが」

少女に向かってカエル顔の医者は1つだけ尋ねた。

「君と彼の関係は?」

カエル顔の医者の言葉に少女は少し考えると、堂々と言った。

「恋人ですわ」

なるほどね?と頷くとカエル顔の医者は少年との約束を思い出す。

『あいつが来たら、俺のことは知らないと答えてください。絶対ですよ?お願いします』

少年との約束に首を振ると、

「なら一緒に来てもらっても良いかい?」

また、患者を救うために『冥土帰し』は尋ねた。









とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第50話











『絶対能力進化(レベル6シフト)』研究所にて御坂の声が響き渡った。

「これで…終わりよ!!」

轟音と共に落雷のような電撃が迸り、2人の能力者が倒れた。
2人が倒れて動かないのを見て、御坂はどうにか終わったかとため息を吐いた。
16日から18日を用いて御坂は布束に宣言した通り、研究所の機材を破壊し続けていた。
7割をハッキングにより破壊し、回線を遮断された後は残りの3割のほぼ全てを直接潜入して破壊していった。
そして今日、残りの2基を破壊することで完全に『実験』を停止させるつもりだった。
先の3日間と同様に私服に帽子姿という格好で、研究所に潜入した所で現れたのが先ほどの2人の能力者達だった。
結局、研究所をぼろぼろにした状態でどうにか戦闘を終えた御坂だった。
御坂は倒れている2人に近づき尋問を開始することにした。
気絶しない程度の電撃を与えた筈なので痺れて動くことはできないものの、喋るくらいはできるようにしたつもりだった。

「さて、話を聞かせて…って手加減を間違えたわ」

だが、流石に相手が2人ということもあり、更には今までのハッキングや破壊工作などでかなり体力を消耗していた御坂はどうやら加減を間違えて完全に気絶させてしまったようだ。
2人の能力者は身体の端を若干動かしてはいるので生きてはいるようだが、答えられる様子ではなかった。
『実験』について知っている事を洗いざらい話してもらうつもりだったが、仕方ないと御坂は首を振ると、本来の目的を行うことにした。

「…とりあえずは機材の破壊を優先させるか。そうすれば少なくとも『実験』は止まるし」

そう言って、その場を後にしようとする御坂に背後から声がかかった。
それはこの状況にまるでそぐわない軽すぎる声。

「ちーっす。そこに倒れてるヤツってうちのやつかな?ってことはお前が倒したと。おいおい、こんなに使えねぇとは…いや、逆か?アンタの方がすげーって事か?まぁ、どっちでもいっか」

御坂は瞬時に背後を向きながら距離を取る。
そしてそこにいる予想外の人物に御坂は驚いた。

「なっ。あんたこの前の…」

「あん?…どっかであったか?……ああ、この前駅前でガチャガチャやってたやつか」

ニヤリと帝督は笑う。

「なんで、あんたがここに!?」

「オイオイ、何でってそりゃぁどっかのバカが研究所の機材を壊しまくってるから俺らみたいな学園都市の暗部が呼ばれたんだろ?」

「暗部?」

「ああ、胸くそ悪いヤツらのことさ」

悪寒を感じた御坂は磁力を使って近くの壁へと撤退する。
瞬間、先ほどまで御坂のいた空間が爆発を起こす。
御坂は磁力で近くにあった機材を帝督に向けて投擲する。
帝督がそれをステップで横に移動し軽々と避ける、するとばちっという何かが弾けるような音が聞こえて来た。
帝督がすぐさま翼の一対を展開し、自らの身体を覆うと、そこに御坂の電撃の槍が迸った。
電撃の槍を受け止めた翼は一瞬で羽に変換され、その場に散らばって行く。

「くっ」

「そういやぁ、発電系の能力者って情報があったんだっけな」

砂の様に消えて行く羽が舞う中で、帝督が面倒臭そうに呟きながら右手を前に振りかざす。
その動作に御坂は警戒するが、何も起きなかった。

「?」

(能力の発動をミスったの…?)

御坂は疑問を覚えながらも好機と見て、細かな電撃の塊をそれぞれ片手から複数に分けて打ち出す。
これなら一発を翼で防がれても残りの電撃でどうにかできる。

しかし、その全てが空気中で霧散した。

「え?」

突然のことに御坂は呆然とする。

「はっ!ショーはもうお仕舞いか?」

「くっ」

帝督の背後にある機材を磁力で引き寄せる。
完全に死角からの攻撃でならふせぐ事はできないはずだ。
だが、それも。
僅かに機材をずれ動かす程度しかできなかった。
驚愕する御坂に帝督は言う。

「この世界は何でできてるか知ってるか?」

こつ、と一歩前に出ながら帝督は続ける。

「素粒子だ。こいつは分子や原子よりも更に小さい物体でな。ゲージ粒子、レプトン、クォーク……。さらに反粒子やクォークが集まって作られるハドロンなんてのもあるんだが、まぁ、大概はいくつかの種類に分けられる。この世界はそういう素粒子で構成されてるって訳だな」

だが、と帝督は更に一歩進みながら呟く。

「俺の『未元物質(ダークマター)』に、その常識は通用しねえ」

口が裂けるように笑う帝督に御坂はぞっとする。

「まぁ、あれだ。『未元物質(ダークマター)』は異世界からこの世界に存在しない物質を引きずり出す。『理論上は存在する』とか、『未だ見つかってない』とかそういうちゃちなもんじゃねえ。本当に存在しねえんだ」

「だったら何だって言うの?」

しびれを切らし御坂が尋ねる。
その手は電撃を放つが、再度帝督に届く前に霧散させられる。

「だから、空気より遥かに強い絶縁体の物質を引きずり出して空気中にバラまいちまえば、テメエの能力は半減されんだろ?」

そもそも御坂の行う放電とは、火花放電と言う。
これは空気等の絶縁状態の気体を破壊する、絶縁破壊という現象だ。
だが、もしこの絶縁体である気体が通常よりも高い絶縁能力を得たら、どうなるか。
その答えが先ほどの現象だった。
電気抵抗の高い空気によって電撃の砲弾は全て霧散し、それと同時に電気の威力が下がったことで遠くの物質の磁力を操ることができなかったのだ。

(この男…レベル5!?)

御坂はこれだけの能力を持つ男が自分と同じ位置にいることを理解する。
だが、止まる事はできない。
諦める事なんてできない。
御坂の脳裏にある人物の言葉が思いだされる。

『彼のように、諦めなければ、その運命すらも覆せるのかもしれないな』

今諦めたら、運命は覆らない。

「その程度。屁でもないわ」

帝督の言葉を鼻で笑うと、御坂はポケットからコインを取り出した。
それを手に持ち、意識を集中しながら帝督に向ける。

(電力、磁力、それが空気中の電気抵抗で防がれるとしても)

「体内の電気までは防げないでしょう!!」

瞬間、御坂美琴の通り名であり、彼女の代名詞である、

超電磁砲(レールガン)が放たれた。










「まずは、何から話そうか?」

部屋の中心でカエル顔の医者が問う。

「この…部屋は……いったい?」

唖然とする白井が部屋の入り口に立っていた。
部屋には、百に近い数の培養器が配置されていた。
そこにはそれぞれ同じ顔を持ち眠っている少女達が収容されていた。

「『妹達(シスターズ)』の延命処置を行うための培養器と言うべきかな?」

「しすたーず…ですの?」

白井は聞いたことのない単語に反応した。

「彼女達のことだよ?もともとは別の実験によるものだったらしいけどねぇ?」

「あなたが製造者ですの?」

真剣な白井の問いにカエル顔の医者は一瞬だけ蛙が豆鉄砲を喰らったような顔をすると、微笑みながら首を振った。

「いや、僕は製造者じゃないよ?それにさっきも言ったように僕は今彼女達の延命措置を行っているんだよ?『実験』とは関係ないよ?」

「それは失礼しましたわ……その、『実験』とはあの白髪男が行っているものですわね。唯鷹さんはその『実験』とどんな関係があるんですの?」

「さぁ?それは僕も知らないよ?彼がこの実験とどう関係してるかなんてね?」

「なら、唯鷹さんはどこにいるんですの?ここに呼んだって事はそれぐらいは知っていますでしょう?」

「僕にもわからないんだよ?ごめんね?」

「だったら何で私を呼んだんですの!?」

白井は激高する。
それも当たり前だった。
前回の経験から、御坂の行動に気づけば綾峰は何かしらの妨害をしてくるかもしれない。
あの日の白井にした様に御坂の記憶を奪うかもしれない。
そんな不安を取り除くために綾峰を探し始め、既に3日目。
探しても探しても見つけられない、そんな焦燥が白井を満たしていたのだから。
白井は肩で息をする。
その目は血走っており、怒りに溢れているのがわかった。
そんな白井にカエル顔の医者は穏やかに言う。

「彼を君に救ってほしいからだよ?」

カエル顔の医者の言葉に白井は止まる。

「どういう事ですの?」

白井の問いに、カエル顔の医者は言う。

「彼は、死ぬ気だよ?」










研究所の中を帽子が舞っていた。
超電磁砲の余波で飛んだのだ。

「………終わり?」

超電磁砲によって粉塵に包まれた研究所の壁から、床に飛び降りた御坂は警戒しながら呟いた。
御坂の言葉が疑問系なのは帝督を直接は狙っていないからだった。
流石に超電磁砲を直接当ててしまえば死んでしまうと思ったのだ。
そこで、超電磁砲の余波で倒すために先ほど御坂が投擲して帝督が避けた機材に当てておいた。
そして超電磁砲の衝撃を受けた機材は粉塵をまき散らした。
粉塵の向こう側からは音は聞こえなかった。

いや、聞こえた。

ぱん、ぱん、ぱん、ぱん。
手を叩く乾いた音が粉塵の向こう側から聞こえて来た。
御坂が警戒した瞬間、

「良いねぇ。なかなか良いもん持ってんじゃねえか。」

粉塵を掻き分け、二対の翼が広がった。
二対の翼の中心に立つのは帝督だった。
その姿はまるで天使。
相手の姿に御坂は驚愕する。

帝督の身体には傷はない。
傷1つない。

帝督は御坂の帽子の取れた姿を見て言った。

「…なるほど、テメェがレベル5第三位の『超電磁砲(レールガン)』ってわけか」

「!?」

帝督の言葉に御坂は唖然とした表情でその場に固まった。
御坂の様子を見て帝督の口が裂ける様な不気味な笑みを浮かべた。

「『実験』でも止めに来たか?」

「なんで、それを!!?」

「暗部ってのは色々学園都市の暗い部分の話は小耳に入って来るんだよ」

「なら『実験』についてあんたの知ってる事を教えなさい!」

睨みつけて叫ぶ御坂に帝督は嗤う。

「知った所でどうにかなる訳じゃねえだろ?」

「変える、変えてみせるわ」

「どうやって?」

「知らない、わからない。でも必ず変えてみせる」

御坂の瞳に迷いはない。
諦めないと言う意志が宿っていた。

「それじゃ、ガキの理屈だ。はぁ、メンドクセェ。じゃぁ教えてやるよ。お前に無理な理由を。そんでもってそれが不可能なただの夢だってことをな」

「…………………」

「あの実験はある人物に守られてやがる」

「ある人物?」

「『多重能力者(デュアルスキル)』にな」

「え?」

「アイツは実験を成功に導くのが目的らしい」

御坂は聞かされた事実に吹き出しそうになった。
そんなことはあり得ない。
『幻想御手』事件の時、白井を守ろうとしたあの日の綾峰がこんな実験を容認するような人間のはずがない。

「あり得ないわ、そんなこと」

一笑にふす御坂に帝督は笑みを絶やさずに続けて言う。

「そうでもねぇ。あいつにも理由がある」

「理由?」

「なにせ、やつは元『絶対能力進化(レベル6シフト)』被験者だからな」

「は!?」










地下実験施設の中でカエル顔の医者は切り出した。

「彼の参加していた実験にはいくつか名称があるけどね?例えば、『AIM拡散力場制御実験』、『暗闇の五月計画』、『メンテナンス』などなどね?でもそのどれもが本来の彼の本筋の『実験』じゃないんだよ?」

「それが先ほどの綾峰さんの死とどういう関係が?」

「まぁまぁ、最後まで聞いてごらん?さて、この彼の参加していた本来の『実験』だけどね?当時は、こう言われてたらしいよ?

「『絶対能力進化(レベル6シフト)』」

「それって、お姉さまが今関わってる実験の事ですの?」

「まぁ、あれと同じ物かな?ただ、方法は違ったらしいよ?」

「方法が違う?」

「うん、彼の場合は『上位能力(レプリカオリジナル)』としてレベル6に辿り着くものだからね?」

「何ですの?れぷりかおりじなるって」

「君はレベル6と聞いて何を思い浮かべるかな?」

カエル顔の医者の問いに白井はしばらく考えると自分の考えを述べた。

「………まぁ、何でもできそうですわね。それこそオカルトチックですが、神のような全知全能の力の感じもしますの」

「そう、それが彼のレベル6への鍵だったんだよ?」

「?」

「あらゆる能力を使いこなせれば、それは『レベル6(オリジナル)』と同等、ならばあらゆる能力を得られる能力者ならば通常とは違う形でレベル6へ至れるんじゃないか?それが『上位能力(レプリカオリジナル)』だよ?」

「で、ですが、そんなこと不可能ですの!」

普通の能力者は今持っている力以外の力を得る事はできない。
御坂が白井の持つ『空間移動』を使えないように。
白井が御坂の持つ『電気使い』が使えないように。
普通の能力者にとってカエル顔の医者の言ったようなレベル6への到達方法は不可能の筈だ。

「そう、普通の能力者ならね?」

「?」

「綾峰君は違うんだよ?彼になら、この方法は不可能ではなかったのさ?」

「どういう意味ですの?」

「彼はね、『能力解析(AIMリーダー)』を用いる事で、『他人の現実(仮想パーソナルリアリティ)』の習得が可能だったんだよ?」

「『他人の現実(仮想パーソナルリアリティ)』?」

白井には聞いたことの無い言葉だった。

「仮想マシンって言葉聞いたことはあるかい?」

「確か1台のコンピューターで複数のOSを使用するためのシステム、ですわよね?」

「彼の能力はまさにそれなんだよ?」

「仰る意味がいまいち理解できないのですが…」

「彼は、他人のAIM拡散力場を解析することで、解析した相手の持つ『自分だけの現実』、つまり『他人の現実』を理解できるんだ?そこで彼は自らの演算可能領域(コンピューター)の一部を使うことでその『他人の現実』(他のOS)を自らの『自分だけの現実』の上に仮想的に構成(エミュレート)するんだよ?」

「つまり、演算を行うことで他人の『自分だけの現実』を使用でき、かつそこから能力を発現する…不可能ですわ。そんなの!どれだけの演算能力が必要だと思いますの!?」

「彼には、それができたんだよ?彼の演算能力は現在のレベル5第一位を上回ると言われたくらいだからね?」

そこで、白井は自らの所属する第一七七支部の書類処理能力のことを思い出した。
今まで書類処理が遅いのは、書類の量は普通なのに他の風紀委員の方が低いから処理が追いつかないと思っていた。

しかし本当は書類の量がおかしいくらいにあって、それを全て軽々と片付けてしまう綾峰の書類処理能力、演算能力が常人以上なのではないか?

「…………本当ですの?いえ、それが事実だとしても、何で唯鷹さんはレベル6になれなかったんですの?」

「君が言った通りだよ?不可能だったのさ?」

「?」

「レベル6に至るには、あらゆる能力の『他人の現実』を得る必要があったんだよ?でも、彼が『他人の現実』を得る度に彼は自分の演算能力を削る必要があるのさ?」

「つまり、足りなかったんですの?『他人の現実』を構築するための演算が唯鷹さんの演算能力を上回っていたんですわね」












帝督の説明に御坂は納得すると共に御坂はまだ納得できていない部分があった。

「綾峰さんがレベル6に到達し損ねたことは分かったけど…。『実験』を成功に導くっていう考え方にはならないわ」

「だから言ってんだろ。最後まで話を聞けってよ。アイツが関わった実験にはな『メンテナンス』ってのがある」

「『メンテナンス』?」

「あらゆる能力者を『レベル6』に至らしめる学習装置(テスタメント)を作るという研究らしい。まぁ、結局失敗したらしいがな」

「それがどうしたの?」

「その被験者はアイツと同じチャイルドエラーの能力者どもでな。そいつらは綾峰によってレベル上げの指導を受けたらしい。だが、最終的に実験の途中で全員が能力を暴走させる事件が起きた」

「ッ!?」

御坂は顔をしかめる。
脳裏を一ヶ月前の事件の首謀者である木山春生の記憶が過る。

「つまり、綾峰さんは…その子達のためにレベル6を今度こそ完成させようって言うの?」

「さぁなぁ?俺はあいつじゃねえからわからん。だが、ヤツは俺と同じだ。だからわかる。アイツは、俺みたいにたくさんの人間を殺して来た。直接、間接関係なくな」

帝督の言葉に御坂は目の前の人物の顔が泣いているのか嗤っているのかわからなかった。
それはまるで泣きながら嗤っているような…。嗤いながら泣いているような…。
でも、と呟き、御坂は首を振る。
そして帝督を見据えると、言った。

「…………それでも関係ないわ。私の前に立つのがアンタだろうと、綾峰さんだろうと、私はアンタらを倒して、解決してみせる!」

そんな御坂の様子に帝督は頭痛を押さえる様に右手を額に当てる。

「ったくダメだな」

今度こそ、帝督は嗤った。

「こんなのは俺じゃねぇな。動きを止めたきゃ、殺せばいい。気に食わなきゃ、壊せばいい。それだけだ」

だから、と帝督は呟く。

「死ね、第三位(かくした)」

再度、2人の超能力者がぶつかり合う。









「彼がチャイルドエラーを殺してしまった事を悔やんでいるのか、ただ責任と感じているのかは僕にも分からないよ?でもね?このままでは彼は死んでしまうよ?」

「だから、私に止めろと言うんですのね?」

「うん?そうだね?頼めるかい?」

「わかりませんわ。でも救ってみせますのよ。お姉さまも唯鷹さんも。必ず黒子が救ってみせますわ」

白井が決意を宣言した瞬間、部屋の入り口に黒いカッパを来た人物が降り立った。









あとがき!
ついに、明かされる綾峰の能力!
皆さんに納得していただけたでしょうか?
実はこの能力の理屈は、投稿初期段階ではまるで思いついてなかったというのは公共の秘密だ!!
まぁ、冗談は置いといて、突然始まった垣根帝督VS御坂美琴。
御坂は勝てるのか!?
そして綾峰の過去と秘密を知った白井に綾峰を止めることは出来るのか!?
次回、『覚悟(仮)』。
では、また次回 ノシ






「姫神秋沙と」

「月詠小萌の!!」

「「教えて!!小萌センセー!!」」

「はーい、お久しぶりですよー。皆さん、元気にしてたですかー?」

「久しぶり。皆の姫神です」

「というわけでついに綾峰ちゃんの能力の秘密が明かされましたね~」

「小萌。ふと。思ったんだけど。毎回長くない?」

「……まぁ、ここだけの話ですが、作者はプロットらしいプロットなんて一度も考えてませんもん」

「大丈夫なの?」

「一応、日にちごとに起こそうと思うイベントを決めてはいるみたいですよー」

「そうなの?」

「はいー。ま、作者なんて知ったもんかですー。ほら姫神ちゃん。前々回あたりから溜まりまくってる質問をお返しするですよー」

「うん。わかった。まずは。q-trueさんの
『学園都市の表裏に詳しい上、原作知識持ちの綾峰に質問です。
 色々と周囲に面倒な人間が増えてきましたが、現状で敵に回したくないキャラは誰ですか?
 できればランキング形式でお願いします。』
とのこと。早速本人に聞いてみたいと思う」

「まぁ、当然の如くいるのはもうつっこまねぇよ。でもな、でもさ!

 なんで、俺縛られてんの!?」

「敵に回したくないキャラですかー。色々いそうで大変ですねー」

「で。答えは?5人くらいで理由とお願い」

「スルーッ!?

……ごほん、えっとじゃぁ
 5番目は垣根帝督かな。普通に戦って勝てるかどうか怪しいしね。色々メンドクセー因縁が増えてるし…」

「まぁ、妥当って感じですねー」

「次は?」

「4番目は黄泉川愛穂。あれは何て言うか勝てるって言う概念がないな…。何あれ?般若?」

「……のーこめんとですー」

「次」

「3番目は一方通行(アクセラレータ)。あれも帝督と同じ理由で。原作での垣根の最後を知ってる分…相手したくないなぁ。つか覚醒前はともかく覚醒後は無理だと思う」

「知ってましたか?綾峰ちゃん。最新刊で帝督ちゃん生きてるんですよ~」

「え?マジで?」

「まぁ。人間とは言えない状態らしいけど」

「怖ぇよ!?何?何があったの?19巻何があったの!?」

「次」

「やっぱ2番目はアレイスター=クロウリー。学園都市最大の権力者だし、科学勢力で一番の親玉だし。純粋な戦力だけ見たら一方通行とかのが上に感じるけど…人質的なことを考えるとまず相手にはしたくない…」

「えっと、そのノーコメントですー。先生まだクビになりたくないですー」

「がんばって。はい次」

「ちょっ!?軽いな!?えっと一番はその…」

「そんな顔をしかめてどうしたんですかー?」

「良いから言って」

「白井…黒子」

「はい!?綾峰ちゃん、何でそこで白井ちゃんが出て来るんですー?」

「だって、敵になるって事は恋人じゃなくなるってことだし…」

「へたれ」

「ガーン!?」

「じゃぁ。次。日ノ本春也さん。
『そういえば、黒子のようなちょっと前までランドセル背負っていた子を彼女に持つユタカ君のクラスでの扱いってどうなんですかね?』
もちろんロリコン」

「ちょっ!?」

「あれ?まだいたんですかー?」

「いたよ!てか縛られてて動けないんだよ!」

「まぁ、本当にロリコンかどうかともかく、そこら辺はそのうちに出てくる九月一日あたりに描写があると思うですよー」

「次。rafaleさんからの質問。
『綾峰君へ質問。
 本当に、本当に、本当に、本当に
 黒子のこと好きなんですか?「お前とは遊びだったんだ。実は・・・」
 なんてことはないよね?
 もしも、遊びだって言うのなら、くくっ・・・』
まぁ。一応聞いてみる」

「まぁ、確かに最近の本編の俺の行動見るとなぁ…。そうなるよな。でも!俺はあいつを本気で好きだから。本気で好きだから、ああしたんだ。確かに色々間違えてると思うけど、俺は本気だよ。だから心配しないで欲しい。俺は黒子のつるぺったんな所もお姉さま大好きな所も大好きだ!足りないならもっと語ってやr(以下略)」

「「さよ~なら~」」

「なんか、コメントしろよ!?」


終わる。


誤字修正
帝督の台詞
「ああ、学園都市にある闇の置くに潜むやつらのことさっ!」
             ↓
「ああ、学園都市にある闇の奥に潜むやつらのことさっ!」
リョウ様、ありがとうございました^^

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