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八月十五日 壱【一方通行編】

始まりは、駅前だった。
夏の暑い日差しを避けるように駅前に植えられた木の木陰の下に置かれたベンチの上に帝督は座っていた。
いつもの紅い学生服の前を開き、その下には緑色のシャツが見えている。

「あち~」

と言いながら団扇を仰ぎ、帝督は待ち人を待っていた。
時間は10時20分、約束の時間は既に過ぎていた。
そこに、

「ていとく~。待った~?」
『心理定規』が現れた。
いつもの背中が丸見えのホステスのようなドレスではなく、シャツにジーパンという服装で、化粧もなく、髪は後ろでひとまとめにされて所謂ポニーテールだった。
肩には大きめのバックを持っていた。

「…………………」

『心理定規』の姿に無言になる帝督。
心なしか、その顔は若干紅く見えた。

「どうしたの?ていとく?」

「あ?いや髪型変えたのか?」

「うん、どう?似合うでしょう?」

「ああ、お前は本当に可愛いな」

にこっと笑う帝督に『心理定規』は顔を赤くする。

「もう、いきなり恥ずかしいでしょ」

「わりー、わりー。それじゃ行くか」

「ええ」

そして2人は手をつないで歩きだした。







「気持ち悪ッ!!」

自分の夢にツッコミをいれた『心理定規』だった。








とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第45話










第一〇学区の一画に存在する数多の研究所の中の研究所、『古村生態学研究所』の一室。
応接室、と入り口のプレートに書かれてあるこの部屋には、現在大量の機材が運ばれていた。
ガラスでできた高級そうなテーブルの上には、とある一室に設置された監視カメラから送られる映像を映し出す数個のテレビが置かれている。
そしてその横で高級ソファに座りながらワンピース姿の12歳前後と見られる少女が何事かを呟いていた。

「C級マニア必見、話題沸騰のC級シリーズ第23弾『ゴメラより愛を込めて~バーローの奇跡~』…。なんかもう題名が超うさんくさくて逆に超気になります…」

『アイテム』という非合法組織の幹部である絹旗最愛だった。
ちなみにこの絹旗、雑誌を見ながら妙なことを呟いているが断じてさぼっている訳ではない。
確かに、雑誌を見ているので画面を見ていないじゃないかと思うだろうが、そこはさすがに絹旗もプロである。
下部組織のメンバーに任せていた。
………うん、やっぱりサボリだ。
そんな幹部をジト目で見てくる下部組織のメンバー達を華麗にスルーしながら絹旗は雑誌をめくって行く。

「ふむふむ、C級初心者を引き込むためのC級映画ランキング…うーむ、どれも絶妙なラインを超引きつつ、かつC級の楽しさをまるでわかってない超駄作ばっかですねぇ。む、でもこの第三位に『ツンツンデレツンデレツンツン~ビリビリの果てに~』を超持ってくるのはなかなか…っむむ、更に第四位の『メルトなヤンデレぶち殺し確定ね☆byMUGINON』…この編集者とはなかなか良いC級論議が超交わせそうです…」

正直それ本当に映画のタイトルなのか?とその場にいた下部組織のメンバーは心の中でつっこんていた。
ふと、そんなメンバー達の1人が突然声を上げた。

「部屋に人影が!」

瞬間、全員に緊張が走った。
声を上げたのは部屋を映す画面を見ていたメンバーだった。
その部屋というのは、もちろん培養器が設置されている部屋である。
絹旗がメンバーの後ろから画面を覗き込むと、部屋の中に黒い人影のようなものが映り込んでいた。

「人影は1つ、部屋の出入り口に設置された警報が作動していません」

「他の部屋、通路にはどうなんですか?」

画面を見るメンバーに向かい絹旗が問う。
画面を切り替えて確認するメンバーはすぐに答えを返して来た。

「仲間らしき人影は見当たりません」

それに合わせて外のメンバーと電話をしていた他のメンバーが報告をしてくる。

「入り口のチームからの報告によると入り口の守衛はそれらしい人間を通してはいないそうです」

「ふふふっ、どうやら私が超当たりの様ですね。他のメンバーに連絡を」

絹旗はそれだけ言うとすぐに応接室を飛び出し、培養器のある部屋へと向かい走り出した。






一方、培養器のある部屋にいる人影はため息を吐いた。

「…メンドクセー」

綾峰だった。
黒いカッパに黒い仮面をかけ、培養器の前にいる綾峰は、自らのいるガラスで隔てられた部屋へ直行してくる1つのAIM拡散力場の発生源へと意識を向けていた。

「レベル4デ…大気操作系ノ能力者…カ」

しかもこんな場所にいるとしたら裏の関係者だろう、と推測も立つ…。
願わくば『アイテム』の絹旗でありませんように…、と綾峰は心の中で祈っていた。

『アイテム』、レベル5の麦野沈利を中心に構成されたメンバーであり、実はその影の中心はレベル4の滝壺とか言う少女だったはず、と綾峰は心とも無い知識をもとに思い出す。

何が怖いって、そりゃぁ。

「ヤンデレ…ハナァ」

色々話が通じなさそうだし…それに…なんか胃が荒れそうだ、と綾峰はため息を吐く。
そこに、
いきなり事務机が轟音と共に重要そうなボタンやら機械やらのある壁を突き破って部屋に放り込まれた。

「ゲッ」

机は衝撃でぼろぼろになりながらも威力は殺されず、そのまま部屋の中央を分断していたガラスの窓を突き破った。
綾峰は慌てて黒い物体で壁を作り、大破した机やガラスの破片などもろもろの危険な飛来物から背後にある培養器を守るためにそれらを受け止めて行く。

「オイオイ、イキナリスギンダロ…」

呆れた様に言う綾峰の横から、

「そりゃ、超先手必勝ですから!」

壁の隙間をかいくぐった絹旗の『窒素装甲(オフェンスアーマー)』に身を包んだ一撃が綾峰の無防備な脇腹に入った。
その一撃に『多重能力者』は壁まで吹き飛んだ。

「というわけで、ちょ~っと派手になりましたが、超解決です」

イエィ、とVサインをする絹旗に、声がかかる。

「イヤ、チョットジャナイシ…テカ勝手ニ変ナ五文字熟語作ンナ」

「へっ?」

突然、絹旗は真横からの一撃に吹っ飛んだ。

「ホ~ムラ~ン」

いつの間にか背後に立っていた綾峰が黒い物体によって作り上げたバットで『窒素装甲』ごと打ったのだ。
その結果、絹旗は『窒素装甲』に守られながらも打たれたボールの様に部屋の反対側へ弾みながら飛んで行った。

「オオ~、結構飛ンダナ」

綾峰が言う横で、壁にめり込んでいた『多重能力者』の分身が砂状になって消えた。






絹旗は部屋の反対側に飛ばされると、壁に激突し、その衝撃で壁にひびを作りながらも止まった。
そしてそのまま瓦礫だらけの床に落ちる。

(ここへの侵入方法、それにあの動き…どうやら『空間移動』系の能力者ってことで超間違いないみたいですね…まぁ、ただのバットでこれほどの威力ってのが超気になりますが)

『窒素装甲』に守られているため絹旗は、不意打ちを喰らいながらも冷静に判断し、相手の能力を把握して行くことができていた。
先ほどの部屋に取り付けられた監視カメラの映像から相手は一人であることはわかっていたが、多種多様な能力者の蠢く学園都市においてそれらが必ずしも正しいとは限らない。
伏兵を警戒して、あえて伏兵もろとも乱戦になるように事務机を投げ入れた。
しかしどうやら敵は一人だけのようだ。
先ほど特攻した部屋の内部に伏兵の気配はなし。
そして相手の能力は『空間移動』系、少なくとも自らの転移ができる所からレベル4程の能力と判断できる。

(超やっかいですね…。ま、やっかいなだけですけど)

と、ここまで思考した絹旗は起き上がると、綾峰を睨みながら服に付いた埃などを片手で払い落とす。

「たくっ、人を超ボール扱いしないでください」

『窒素装甲』によって特にダメージはなかった事を示す絹旗に黒カッパの男は、

「ハァ、メンドクセー」

盛大にため息を吐いた。

「こっちも超めんどくさいんですよ?でもこれも超仕事ですから!」

瞬間、絹旗は地面に落ちていた事務机サイズの瓦礫をちゃぶ台返しの要領で黒カッパに投げつけた。
もちろん、ただ闇雲に投げたつけただけではない。
瓦礫を黒カッパの男が避ければ、瓦礫はそのまま培養器にぶつかる。
もちろん、精密機械である培養器に耐久性なんてものはあるはずはない。
事務机サイズの瓦礫なんてぶつかれば培養器が機能しなくなるのは目に見えている。
多少強引だが、『空間移動』を封じるにはもってこいの手だ。

「クッ」

黒カッパの男もそれに気がついたようだが、一瞬の差が絹旗とあった。
絹旗は投げたと同時に黒カッパに向かって走り出していた
対『空間移動』の能力者の攻撃方法は基本的に、物体を『空間移動』して対象に突き刺すこと。
これがやっかいなのはあらゆる防御を無視して攻撃できる点だ。
つまり、絹旗の『窒素装甲』ですら無視して相手は攻撃できる。
ある意味では相性は悪いが、もちろんこの攻撃には弱点がある。
その弱点とは、『空間移動』による攻撃はピンポイントである点だ。
『空間移動』は演算がより多く必要になるので現在の絹旗の様に瓦礫のような大きな物体を影にして移動している相手には攻撃は当てにくい。
しかも、突然の状況に弱いのも『空間移動』の弱点だ。
絹旗が懐に潜り込んでさえしまえば、後はたこ殴りしてやれば勝ち。
潜り込む前に逃げられたら、そのまま培養器を殴り壊す。

(ま、”盗まれるのを防ぐ”のが仕事ですし、”壊すな”とは超言われてませんしね)

どちらにしろ、絹旗は己の勝利にニヤリと笑みを浮かべた。
瞬間だった。
黒カッパに当たる瞬間、瓦礫が砕け散って塵になった。

「なっ!?」

驚きのあまり声を上げてしまうが、絹旗はすぐに気持ちを切り替えるとそのまま懐に潜り込む事に専念する。
相手の能力がわからなくとも、ダメージを受けている最中に能力は使えない。
素早い動きで懐にどうにか潜り込んだ絹旗は黒カッパの胴体に向かって渾身の一撃を放った。


そして今度こそ絹旗は驚愕した。


確かに絹旗の一撃は入った。
だが、絹旗渾身の一撃を黒カッパは軽々と受け止めたのだ。
それも『窒素装甲』を使って。

「う、嘘…」

長年自らが使って来た能力である、見間違う筈もなかった。
そこにあるのは窒素。
通常の人間であれば何か別の力で防がれたと考えるが、『窒素装甲』を使う絹旗だからこそわかる感覚が、相手の周りを覆っている気体が窒素であるという事を知らせていた。
自らにしか使えない筈の能力。
それが、目の前の見ず知らずの人間に使われている。
今まで感じた事のない驚愕に、絹旗は止まってしまった。
それが失敗だと気がついたのは、

『念動力』で体を浮かばされた後だった。






絹旗と言えば、タフな能力者である。
確か、原作でも垣根帝督と戦闘をして一方通行以外に生き残ってたのってこいつぐらいじゃね?と、綾峰はかつての知識を呆れる様に思い出していた。
そんな能力者がバットで殴打なんて一撃で倒れるわけもなく。
そしてそれを肯定するように立ち上がった絹旗はあからさまに綾峰の真後ろにある培養器ごと壊す勢いで先ほどの事務机と同じくらいの大きさの瓦礫を投げて来た。
その後、懐まで入って来た絹旗の動きを『念動力』で浮かばせることでどうにか動きを封じ込める事に綾峰は成功した。

「何であなたがその能力を!?いえ、その前にあなたの能力はいったい…」

驚き、じたばたともがく絹旗の問いに綾峰は答えずに言う。

「『窒素装甲(オフェンスアーマー)』。レベル4ノ能力。空気中ノ窒素ヲ自在ニ操ル能力。タイプハ大気操作系能力ッテ所カ」

「!?」

綾峰の口から出てくる自らの能力の秘密に最早驚きすら隠せない絹旗は口を開けて呆然とする。

「ソシテ、特徴ハ大抵ノ攻撃ヲ受ケ止メテシマウ頑丈サ」

「だったら何だと言うんですか?」

抵抗するのは諦めたのか憮然とした表情で絹旗は言う。

「マァ、アレダ。コウイウノニハ耐性無イッテ事ダロ?」

くるり、と絹旗が空中で回転した。
『念動力』で動かされているのだ。

「いったい何を超するつもりで…す…?」

くるり、ともう一回転。
途中からその意図に気がついたのか、絹旗の顔から血の気が引く。
くるり。

「や、やめ…」

くるり。
仮面の下で綾峰の口にニヤリという音が聞こえてきそうな笑みが浮かぶ。
くるり。
くるり。
くるり。
くるり。くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるーーー

絹旗は周り続けた。
その横で綾峰は言う。

「ドンナ人間モ三半規管ハ鍛エラレネエシナ」









かん、という軽い音と共にジュースの缶が飛んで行く。

「逃げるわよ、あんた達」

御坂の言葉に従い小学生程の少女達が逃げて行く。

「くっそー、またやられた」

と言っているのは同じく小学生の少年だった。
彼らは缶蹴りの真最中だった。
先日の帝督と一緒に缶蹴りをした子達だった。
御坂と逃げる少女達の中には雲雀もいた。

「小学生相手に本気出しやがって」

と言う少年に対し、御坂はにやりと笑いながら言う。

「あっらー?私もアンタ達と同じ子供なんでしょ?」

流石に少年も先ほど御坂に対し、「自分も子供のくせに」とか、「大人ぶりたい年頃なんだよ」とかいう会話をした後なので、何も言い返せず…。

「オニ!!アクマ!!ヒトデナシ!!」

先日と同じ会話になり始める。

「何とでも」

御坂も特に気にせず受け流していたが、

「アバズレ短パン!!」

プチッときた。

「何つったクソガキ!!」

少年と御坂は追いかけっこを始めていた。
そんな少年と御坂を見て少女達と雲雀が言った。

「言わなければ良いのにね~」

「レベル5の人ってすぐ怒るんだね…」

「おにーちゃんもおねーちゃんも大人になればいいのに」

ワンピースの少女がここにはいないカレー好きなレベル5の事を思い浮かべながら言った。




御坂が雲雀のグループと遊んでいるのは、黒子が風紀委員の夏期公募で駆り出され、やることがなくなり1人公園でベンチに座っていたら雲雀達に声をかけられたのだ。
先月、とある日にひょんなことから御坂が風紀委員の仕事をする事になった際に知り合った子達で、「暇だなぁ」という御坂のつぶやきをしっかり聞かれていて、逃げることはできなかった。

「で、生意気言うのはこの口か~?」

御坂は捕まえた少年の頬をひっぱっていた。

「ひゃめろ~。ファバフレ~」

子供達と遊ぶその姿は日常の中にあった。
この時の御坂はまだ『実験』の事は知らなかった。










くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるーーー
回り始めてから数分後、絹旗はまだ回っていた。
ちなみに今は上下の動きも加わり、どこぞのネズミのアトラクションより酷いことになっていた。
その横で綾峰は培養器を壁から取り外す作業を始めようとしていた。
円筒形のガラスとその上部に通った複数のコードにパイプ。
それらは壁に向かって伸びている。
こういったコードやパイプについては接続部分さえ壊れなければカエル顔の医者が直すので構わない。
問題なのは、それらが複数あること。
一応今後の事も考えて全て持って帰るのがベストなのだ。
しかし綾峰の能力上、限界がある。
少なくとも女子中学生の体格の人間を入れる培養器だ。
その大きさはかなりのもの。
レベル4の『空間移動』が使える綾峰だって運べて1つ。
時間をかけて良いなら複数回にわけて全部持っていけるのだが。
そんな時間は、絹旗がいるというこの状況である筈もない。
長居をすればどっかのヤンデレベル5の方がいらっしゃる。
あまりお近づきになりたくないのだが…。

「ハァ、メンドクセー」

ため息を吐いた瞬間。
綾峰と絹旗の間を縫うように光が走った。

「噂ヲスレバ何トヤラ…カ」

粒子と波形の中間の曖昧な状態の電子によってぶち抜かれた壁の隙間からこちらに歩いてくる女性がいた。

「あれー?絹旗生きてたんだ。あんまり静かだからさくっと殺られちゃったのかと思ったけど」

味方とは思えないような事を言いながら、出て来たのは女性向けのファッション雑誌に出てきそうな女性で腰まで伸ばした茶髪に薄いピンク色のワンピースを着ていた。
その後ろからは黒髪で白のシャツにジャージのズボンを履いた脱力系少女とベレー帽を被った金髪碧眼女子高生が従っていた。
レベル5の第四位、麦野沈利と『アイテム』のメンバー達だった。
綾峰は近い位置にいたフレンダに回転している絹旗を投げつけた。

「へぶっ!?」

フレンダは突然投げつけられた絹旗に受け身も取れずに下敷きになった。

「絹旗大丈夫?てか結局負けたんだ」

ぷふ、と鼻で笑うフレンダに

「………………………き」

フレンダの上に股がる絹旗は、

「き?」

「きも……ちわ…る…………う」

口元を押さえた。

「え?…ちょっ!?まっ」

「…超…無理…で……す…うっ」

「いやああああああああああああああああ」

仲間の醜態に顔をしかめながら麦野は綾峰の方に視線を移す。

「で?そこの黒カッパはどこの変態さん?」

綾峰は思考する。
この場をどうにか逃げ切る方法はないのだろうか、と。



take 1

綾『ア、ドモー。通リスガリノ宇宙人デース』

麦『わー、そうなんですかー?サインもらえますー?」

綾『イイヨ~。ハイ、コレ』

麦『ありがとうございます~』

綾『チョット急ギノ用事ガアルカラ。ジャ失礼』

麦『はーい。さよなら~』

うん、ないな。


take 2

綾『麦野!愛シテル!』

麦『え?うそ!?』

綾『ウン、嘘』

麦『ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね』

やめよう。俺には黒子がいるし。
嘘は良くない。


take 3

綾『ルルーシ○・ヴィ・ブリタニアを知らないと言うのか!?』

麦『るるー?え?誰?』

綾『………………………』

麦『………………………』

綾『………………………』






「だんまり?」

麦野の若干いらついた口調に現実に引き戻される。

「イヤ、若干トリップシテタダケダ」

綾峰の返答に、え?こいつ頭大丈夫?という感じの表情をする麦野。

「むぎの、あれって都市伝説」

ちょんちょん、と麦野の肩を叩きながら後ろにいた滝壺が声をかけた。

「あん?あのトリップ野郎が?」

「たしか、『多重能力者(デュアルスキル)』」

「へ~。あれが…聞いてたより結構ださ」

皆まで言わせなかった。
4人一斉に黒い奔流が襲いかかる。

「くっ」

慌てて麦野と滝壺は床に倒れているフレンダと絹旗を連れて先ほど自分たちが空けた穴から外に転げ出た。

「ダサくねぇ」

綾峰はつい、普通に声で喋ってしまう程動揺してしまう。
次の瞬間、外から『曖昧なままの電子』による光が走る。







外に出た麦野は適当に『原子崩し(メルトダウナー)』を一発放つ。

「もう、何あれ?っつーか、絹旗がそんな調子じゃ、ギャラは考え直さなきゃね…」

いらついた調子で言う麦野の声に絹旗からの返事はない。

「てか結局お風呂に入りたいんだけど~!」

気絶している絹旗の横でフレンダが涙目になりながら訴えている。

「大丈夫、フレンダ。私はそんなフレンダを応援してる」

滝壺はそんなフレンダにフォローするが、

「うわーん。滝壺~」

抱きつこうとしてきたフレンダから一歩離れた。

「あ、ごめん。近寄らないで」

「ガーン!?」

「遊んでないで、さっさと終わらせるよ。滝壺。準備して」

麦野はそう言うとケースのような物を滝壺に投げ渡した。

「うん、わかった」

滝壺はそう言うと手の甲に粉末状の中身を取り出し、ぺろりと舐めた。
瞬間、滝壺の雰囲気が変わる。
今までだらけた感じだったのが、背筋を伸ばし。
半目はかっと目を見開き。
周りの空気が変わっていく。

「フレンダ、きぬはたをお願い」

「う、うん」

滝壺の言葉にフレンダは頷くと、そのまま絹旗を連れて行く。

「準備はOK?」

「うん、もうターゲットのAIM拡散力場は記録した」

「じゃぁ、始めるよ」

言葉と共に麦野は凶悪な笑みを浮かべた。


古村生態学研究所を縦横無尽に光が満ちた。










「っくあーぁーぁー」

その男は大きなあくびをすると根城である住処を出る。
羽織るのは真白の学ラン。
シャツに描かれるのは太陽。
胸に灯すものは『根性』!!!!
というか、全身『根性』。
いや、もう全部『根性』でいいや。
とにかくレベル5第七位の削板軍覇は、今日も気ままに散歩を開始した。
根性なしに根性を叩き込むがため。








後書き

立春を過ぎたとはいえ、、まだまだ余寒の残る、今日この頃ですが、読者の皆々様におかれてはいかがお過ごしでしょうか。
作者は相変わらず、毒にも薬にもならない生活を続けております。
ご存知の様に、先日ついに禁書の第20巻の表紙が発表されましたね。
相変わらずの当麻君に作者は思った訳ですよ。


もう、ロシアから日本に帰らず、真っ直ぐイスラムでも行って来いよ、と。


え?顔がイイ笑顔?
アッハッハッハッハッハッハ。
何をイッテルンデスカ?
ソンナワケナイデショ。
とまぁ、冗談は置いといて。

堅っ苦しい挨拶をしてみて案外に疲れました。
やはりあれですね。
いつも通りが一番ですねw

さてさて、なんだかんだで番外合わせるとついに50話を超えた訳ですが。
長いような短かったような。
最初の投稿から半年が経ち、未だに第三巻も終わってないと言うのんびりペースですがねw
前回の綾峰の裏での活躍に対するコメントを読んで、ああ綾峰も愛されてるんだなと、柄にもなく目から汗が溢れました。
さてさて、コレからもよろしくお願いします。

まぁ、頑張って全員幸福にしてやるよ!









「姫神秋沙と」

「月詠小萌の!!」

「「教えて!!小萌センセー!!」」

「はい、久しぶりのこのコーナーですねー」

「うん。久しぶり」

「何でもー、50話オーバーを記念して、初心に帰ろうということになったらしいんですよー」

「へー。とにかく出番が増えるなら文句はない」

「そんなことばっか言ってるから出番がないんじゃ…」

「そんなこと。ない」

「まぁ、良いですー。さて今日は企画がありますよ~」

「企画?」

「はいー。じゃぁ、姫神ちゃん。コレ読んでくださーい」

「う。うん。ってまたコレか」

「どうしたんですか~?姫神ちゃ~ん?」

「………。姫神秋沙が目立つにはどうすればいいか考えようPart3」

「はーい!じゃぁゲストの方どうぞ~!!」

「絶対小萌も一枚噛んでる」

「え?何の事ですか~?」

「………」

「ねー。そろそろ出ても良い?」

「あ、すいませーん。どうぞ~」

ぷしゅー

「久しぶりなんだよ。こもえにあいさ」

「はぁ」

「いきなりため息吐かれた!?」

「どうしたんですか?姫神ちゃん?」

「だって。この針のむしろに何を学べと?」

「なんかいきなり酷いこと言われた!?」

「そうですよ~。姫神ちゃん。いくらインデックスちゃんがアイアンメイデンでも腹ぺことかニートとか学ぶことはたくさんありますよ?」

「あれ?私って何のためにここに呼ばれたんだっけ?」

「とりあえず、インデックスちゃん。姫神ちゃんが目立つにはどうすれば良いと思いますー?」

「うぅ?何?あいさが目立つ方法?…………………テレビに出るとか?」

「おお、良いですね!」

「アイドル。とか?」

「ううん。ほら、『超機動少女カナミン』とか」

「「…………………………」」


『変身!超機動少女アイサ。行きまーす!』

『悪い子は学園都市に代わってお仕置きよ!』


「ない」

「ないですねー」

「ええ!?」

「てか、普通にインデックスちゃんは普段はどんな一日を送ってるんですか~」

「一日?まずはとうまに朝食を作ってもらう」

「ふむ」

「次にお昼はたいてい冷蔵庫にある食品を食べる」

「ふむふむ」

「夜はとうまが買って来た材料で夕飯をとうまに作ってもらう」

「結局ごはんのことしかないんですね~」

「しかも自分で料理はしてないみたいだし」

「そ、そんなこと……ない……もん」

「後半聞き取れませんでしたけど~?」

「うううわーーーーーーーん。こもえがいじめるーー」

「あっ、やりすぎましたかねー。走ってっちゃいました」

「まぁ。自業自得」

「今度来た時は野菜炒めぐらいは教えてあげますかー」

「…結局。私が目立つには針のむしろの腹ぺこニートになって夜な夜なタイツ姿の変態達と戦うこれまた変態としか見えない衣装を着る子になれと?」

「そうなるんですかねー」

「正直。もう目立てなくていいかも」

「どうしたんですか~?」

「だって目立つ=変態って感じだし」

「うっ。そ。そんなことは無いと先生思うですよー?」

「というか、本編では第二位ですら麻婆好きという新しいアイデンティティーを獲得してギャグキャラ化してるし…」

「先生は目立とうとしない姫神ちゃんなんて姫神ちゃんじゃないと思います!」

「え?」

「姫神ちゃんは目立とうと頑張って頑張って、結局目立てなくて、でもあきらめずに頑張って!それでも目立てない!そんな逆境でも諦めないのが姫神ちゃんなんだって先生は思うです!!」

「小萌…私が間違ってた」

「わかってくれて嬉しいですー」

「小萌こそ最大の敵だってこと」

「えええええええ!?どこからどう吹っ飛んで三段跳びしたらそんな結論に至ったんですー?」

「だって。小萌はロリで熟女でかつ熱血でってもう数えきれない数々の個性を持っていて。まさに生きる個性。クイーンオブ個性。よって無個性の私の敵」

「ふははははは。よくぞ気づいたな姫神秋沙。私こそ真の魔王だ!!(姫神ちゃん、落ち着いてくださーいってあれええええ!?)」

「がんばれ。私。負けるな私」

「来い!勇者よ!(ちょっとー?これ何ですかー?)」

「姫神秋沙。行く!」

私たちの冒険はまだ始まったばかりだ!(完)

「……………(魔王って時点でクライマックスじゃないんですかー!?)」

「……………(とりあえず、コレからもおまけ編もよろしくです。さよーならー)」



終わり。


おまけコーナー『教えて!!小萌センセー!!』では読者の皆様の感想、質問をお待ちしております。
もちろん過去の記事の内容。過去のおまけコーナーの内容でも結構です。
また本編に関する質問についても答えられる限りお答えします。
では、また次回。 ノシ


2010/11/3 はき様のご指摘により誤字の修正

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