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八月十二日【一方通行編】

「終わりだ」

その一言が言い終わる前に決着はついていた。
どさり、と帝督は倒れた。
窓から漏れる明かりが微かに照らす路地裏に立つ『多重能力者』の周りには白井、雲雀、帝督の三人が倒れていた。
三人とも無傷だったが、意識はなかった。

「…………………………」

『多重能力者』は3人を『肉体強化』で担ぎ上げるとその場に背を向け歩きだした。
数歩歩いた所でかつん、と何かが落ちる音がして『多重能力者』は振り返る。
周りを見渡して、『多重能力者』は足下に髪飾りが落ちていることに気がついた。
特に飾りらしい飾りもついていない、ただの髪留め。
それはミサカが付けていたもの。
白井のスカートのポケットに入っていたものが落ちたのだった。
『多重能力者』は『念動力』で髪飾りを目の高さまで持ち上げて確認すると、一瞬白井を見た後、それを放り捨てた。
路地の奥に投げ捨てられた髪飾りは2、3度軽い音を立てて転がって行った。
次の瞬間、『多重能力者』はその場から『空間移動』で消えた。



路地の奥、転がった髪飾りの側に黒い影があった。
それは「きゅい」と鳴いた。
とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第41話











うつらうつらと夢から覚醒する感覚に御坂は穏やかな気分で瞼を開けた。
朝の日差しがカーテンの隙間から漏れていた。
御坂の目の前にはお気に入りの抱き枕兼ぬいぐるみがあった。
ぼんやりとそのクマのぬいぐるみを見ながら御坂はいまいちはっきりしない頭で、

(またか)

と思った。
先ほどまで見ていた夢がここ最近見続けているものと同じ物だったのだ。



筋ジストロフィーと言われる病魔にかかりながらも懸命に生きようと頑張る少年。
それを見守るのは幼い御坂と研究員だ。
筋ジストロフィーが恐ろしい病気であり、そして未だ治療法が見つからないことを御坂に話す研究員の説明を受けながら御坂は少年の一挙一動を緊張しながら見つめていた。
研究員は言う。

『君の能力を用いれば彼らの病気も治す事ができるかもしれない』

そして最後に必ず研究員は御坂に尋ねるのだった。

『君のDNAマップを提供してもらえないだろうか?』

幼い御坂は純粋な思いを込めて首を縦に振っていた。



そんな夢を見続けて既に3日目。
さすがに3日目となると、なぜこんな夢をという思いよりも何かまだ気になることがあるのかと疑問がわいてくる。
2日前のことを思い出しながら御坂はため息をつく。
布束砥信との出会い、そして自らの知らない所で行われかけていた『妹達(シスターズ)』というレベル5量産計画の失敗。
それらがきっとこんな夢を見続けさせているんだろう、と軽い自己分析をして御坂は二度寝という睡魔の甘い誘惑を受け入れて瞼を閉じた。
次に見る夢はあのつんつん頭のバカを追いかけよう、とどこかのレベル0のことを思いながら頬を緩ませる。

ふと、腰の辺りに違和感を感じた。
既視感を感じるこの違和感に御坂は急速に覚醒しながら背後を見る。

「…お姉さまぁ…ぐへへ」

変態がいた。
はぁ、とため息をつきながら、2日前と同じく殴って目を覚まさせる事にした。






「あんた一昨日もやったじゃない。いい加減学習しなさいよ」

ベッドの横で頭を抑えながら呻く白井に御坂はため息まじりに言った。

「…うぅ、単に人の温もりを感じたかっただけですのに」

「綾峰さんでやってなさい」

御坂が白井の言い訳をびしりと返すと白井は急にボンッという音を立てて顔を真っ赤にした。

「と、殿方のベットに潜り込むなんて、大胆なことできませんわ。そ、それにまだ心の準備が…」

もじもじとしながら先ほどまで同性の先輩のベッドに潜り込んで来た変態がぶつぶつと呟いていた。

「なんであんたはそういう所だけ乙女なのよ…はぁ」

そんな白井にかるくつっこみながら御坂は洗面台で身支度をしようとベッドから立ち上がった。
御坂は一歩踏み出すと、違和感を感じて足下を見た。
白井が御坂のパジャマを掴んでいたのだ。

「ちょっと黒子、顔洗いに行くんだから手離しなさい。温もりはもう十分味わったでしょ?………黒子?」

「…………………」

俯いている白井からの返事はない。
どうしたのかと御坂がもう一度声をかけようとすると白井が顔をあげた。

「!? どうしたの、黒子」

「? どうしましたの?お姉さま」

御坂の呼びかけに白井自身は何のことかわからないと言うように首を傾げる。

「あんた、泣いてるの?」

「え?」

白井が驚いたように目の付近に手を当てると、そこには確かに透明な液体が瞳から溢れ出ていた。
白井が涙を流しているのを見て、御坂は少なからず驚いていた。
レベル5である御坂の周りには敵が多い。
本人ははっきりとは言わないが、白井はそんな御坂を守ろうと側にいてくれている。
だから白井はどんなに辛い時も御坂の前で辛いなどとは一言も漏らさない。
もちろん、涙だって流しはしなかった。
だと言うのに、白井は泣いていた。
本人も気づかぬうちに涙が瞳から溢れ出ていた。

「え?な、なんで?え?どうして涙が?え?」

本人も驚いた様子で涙を拭いていた。

「黒子…」

あんた昨日、何かあったの?と問いかけようとして御坂が声をかけると、
白井は更に涙を流し始めた。

「え?あれ?す、すいません。お姉さま。いますぐ顔を洗ってきますわ」

言うとすぐに白井は『空間移動』で洗面台へと消えて行った。

「…………どうしたのよ」

御坂の声が部屋の中に消えた。







「あち~」

入院中の上条はいつも以上にぼさぼさな頭をかきながら夏の炎天下を歩いていた。
目的地はコンビニ。
本来なら入院中で未だに腕からギブスの取れない上条は病院内で部屋にいるべきなのだが、話は遡る。
詰まるところ、病院というのは医療施設であり、娯楽施設ではないのだ。
何が言いたいかと言うと、上条は暇だったのだ。
室内に取り付けられているテレビを見ようとすれば、テレフォンカードの様に10時間千円という高校生には非常にシビアな値段設定で買うカードを入れなければテレビは動かない。
最近同居し始めたどこかのシスターさんのせいでエンゲル係数急上昇中の上条家ではその千円ですら厳しい状況だった。
もちろん、そんなお金ですら気にする上条家では膨大なパケットを使用するであろう携帯などもっての他。
そこで他の娯楽を探すが思いのほか見当たらない。
結局院内で上条が見つけた唯一の娯楽はロビーのテレビだけだった。
妥協と長考の末、上条は週刊誌を買いに行く事に決めたのだった。

そこからが上条当麻の不幸の始まりだった。

この日に限って病院前のコンビニは改修工事中で、次に近いコンビニは空調機器の故障のため今日は開いておらず、次のコンビニは強盗事件があったようで入り口が警備員(アンチスキル)に封鎖されており、次のコンビニは交通事故があって突っ込んで来たトラックにより入り口が大破しており営業どころではなく、次のコンビニは(以下略
結局駅前まで歩かされるはめになった上条は20分近く歩き回ったおかげで既に汗だくだった。

「ふ、ふkいやいや、我慢だ。上条当麻。たかが、コンビニ10件連続で開いてなかったからって…これしきで不幸だなんて言うもんか…」

何か変な意地を張り始めてたりする上条は独り言を言っていた。
インデックスを待てば良かったのかなとか思ったりするが、最近のインデックスは小萌先生宅で寝泊まりしているので姫神と来る、姫神は家事を午前中にするためインデックスが来るのは姫神が家事を終える午後となる。
午後まで我慢できない、よって自分が行くしかないのだった。
そして、炎天下で歩いたために疲労が溜まり、汗にまみれ、更に喉が乾いた上条はオアシスを見つけた。

それは駅前のコンビ二だった。
程よく冷えているであろう店内に、なにより道路を挟んだ反対の歩道からでも見える週刊誌コーナーに置かれた週刊誌の数々。
上条はオアシスに向けて歩いて行く。
既に脳内ではどの週刊誌にしようかと品定めを始めている。
「友情・努力・勝利」が合い言葉、だけど最近微妙なギャグ漫画や明らかに大人向けな内容も増えて来た週刊少年誌ステップ。
他社で大ブレイクした作者が描く漫画が多い、だけど微妙にエロ要素が多い気がする週刊少年誌マージン。
描く人が大ブレイクしたもの程、他社に行かないだけど最近微妙なのが多い少年週刊誌サタデー。
どれも一長一短だよなー、でもやっぱ俺はステップだな~。
よし、今日はステップを買おう。
等と考えながら横断歩道の信号が赤から青になるのを待つ上条。
青になって、信号を渡りきると財布を確認してコンビニに入った。
~~♪。
軽快な音と共に開いた自動ドアが開く。

「……今いそがしいの。後にしてくれない?」

それが最初の店員の一言だった。

「え?」








~~♪。
軽快な音と共に開いた自動ドアからコンビニに客が入ってくる音がした。

「……今いそがしいの。後にしてくれない?」

レジの前で携帯を出しながら話しているのは『心理定規(メジャーハート)』だった。

『忙しいってお前何してんだよ?』

電話の通話口からは彼女の同僚である『未元物質(ダークマター)』の声が聞こえて来た。

「バイトよ、バ・イ・ト。どっかの職質を受けるような人と違って私はお金貯めるのが忙しいのよ」

『こら待てテメェ。何でそれを知ってやがる』

「さぁ、何でかしらね。とにかく私は忙しいの。あなたは職質されんのにびびりながら女の子と遊んでれば良いんじゃない?」

『…なんか最近お前荒れてんな?何かあったのか?』

「ふん。どうでも良いでしょ。とにかく私はバイト中なの。変な用件で電話してこないで」

『単にこの前のこtプツッ』

「ふんだ、どうせ若い子の方がいいんでしょ」

「………………」

右腕にギブスをした客が唖然とした表情でこちらを見ている事に気がついた『心理定規(メジャーハート)』はきっとその客を睨みつけて言った。

「見せもんじゃないわよ」

「は、はい!」

客は慌てて雑誌コーナーに行くと、一冊の雑誌を取りレジに出した。

「298円になります」

『心理定規(メジャーハート)』の冷めた声を聞きながら客は3枚の硬貨を財布から出すと、おつりと雑誌を受け取って外に出て行った。

「……はぁ」

『心理定規(メジャーハート)』のため息が客のいない店内に響いた。







「…びびったぁ。痴話げんかか?」

コンビニから出て来た上条は先ほどまでとは違う意味での汗をかきながら呟いた。
とりあえず戻るかと、コンビニでの事を忘却の彼方へ葬ることに決定した上条は改めて買って来た雑誌を見た。
コンビニ袋から取り出し、背表紙を確認する。
間違ってサタデーやマージンを買って来たり、月刊や青丸ステップを買ってたりするパターンが彼の人生経験上星の数程あるので、改めて確認する。

「ふぅ、普通の週刊ステップだよな」

どうやらちゃんと買えたようだった。
安堵したのか、上条は呟く。

「良かったぁ…さすがの上条さんも右腕切り落とされるような大怪我をしてる時まで不運なわけはな……い……?」

途中から上条の声が途切れ途切れになる。
上条の視線はただ一点、背表紙の下の部分。
○○号と書かれた部分に集中していた。
そこには、「36・37号」と書かれていた。

「…………まさか、まさかの合併号落ちですかああああああああああ!!!?ふ、ふ、不幸だああああああああああああああああ!!!!!」

上条はその場で崩れ落ちた。






「ったく、あのアマ。今度あったら覚えとけよ」

八つ当たり気味に電話を切られた垣根帝督は、駅前で少し遅めの朝食を食べていた。
既に時間は10時を過ぎているのでブランチと言っても差し支えはないかもしれない。
帝督はカレーを一口食べて、

「やっぱ、朝は第七のここだな…」

と呟いた。
今、帝督がいるのはどの学区にでもありそうなチェーン店だったが、どうやら彼にとっては学区によって味が若干違うらしい。
ぱくぱくと、いつものようにカレーを食べて、鈍痛を感じた帝督は首の辺りをおさえた。

(流石に、机でうたた寝はマズったか)

昨夜職質を受けた後、帝督は家に帰ったのだがその後どうやら机でうたた寝をしてしまったらしい。
朝、目が覚めた時には首を寝違えていたのだった。

「あいててててて…はぁ、メンドクセェ」

呟く帝督は昨晩の出来事を完全に忘れていた。







「おねーちゃん、カレー食べたーい」

「あいよー。じゃぁ、お昼はカレーでも作るじゃんよー」

「わーい」

「それにしても雲雀、昨日はいつ帰って来たんじゃん?それにおでこも怪我してるし」

「あのね、昨日白井のおねーちゃんを見かけて追いかけたんだけど、結局見つからなくて…。その時に出っ張ってる所に頭をぶつけたの。それでそのまま帰って来たんだけど…」

「そっかー。とにかく今度からあまり夜に1人で歩いちゃダメじゃんよー。また怪我しちゃうじゃんよ」

「はーい」








後書き
上条乙。









今日の姫神
「ほらほら、寝転んでないで家事を手伝ってくださいですー」

「もー、疲れたんだよー。朝から仕事して疲れたかも~」

「まだ。終わってない。次は皿洗い」

「えー」

「お昼はラーメンと野菜炒めどっちが良いですかー?」

「ラーメンが良いんだよ!昨日食べた所行きたいかも!」

「仕事しないなら。野菜炒め」

「や、やるんだよ!こ、こもえ!今すぐ皿洗いするからスポンジ貸してほしいかも!」

「はーい、これ使ってくださいねー」

「(昨日行ったところ。行くの?)」

「(はいー。インデックスちゃんが気に入ってるみたいですしー。先生の懐も大分楽になるので行きますよー。500円ラーメン!)」

「……哀れなり。インデックス」










「「とある姫神秋沙の質問返信」」

「いえー。ぱちぱち」

「今回は私。姫神秋沙が読者からの質問やコメントを感謝とツッコミと後。9割ぐらいの殺意を込めてお返ししていくコーナーです」

「さて。それではまずののじさんから。
「「多重能力者」を知ってる方に質問です!
ぶっちゃけ、多重能力者の格好はかっこいいのかダサイのか!?」
ダサイ。以上」

「ちょ!?姫神ちゃーん!?いくら何でも一刀両断過ぎじゃないですかー!?」

「あれ?小萌いたの?」

「いましたよ~!始めのタイトルコールを2人でやったじゃないですかー」

「そういえば。そんなことがあったようななかったような。でもなかった。結論」

「いましたもーん!先生ちゃんとタイトルコールしてましたもーん」

「えっと。とりあえず。ののじさんの質問はこれくr「だから、速すぎるです~。というか姫神ちゃん『多重能力者』の格好って見た事ありましたっけ?」

「ない」

「ないんですかー!?」

「まぁ。冗談はおいといて。知ってる人たちに聞いて来た。VTRどうぞ」


『え?『多重能力者』の格好ですか?……………ま、まぁあの本人がどう思ってるかは知らないけど…人それぞれっていうか、ねぇ。って黒子!私のクレープを勝手に食うな!』

『ふむ、私としてはなかなか奇抜な格好だと思うが…。まぁ悪くはないだろう。それにしてもこんな所まで潜入してきて聞くことがそれだけで良いのかね?あ、そう言えば花飾りの彼女は元気かい?』

『いや、明らかにダサイだろ。メンドクセェ』

『彼の格好?まぁ、魔術的には悪くないと思うよ。黒単色っていうのはそれそのものに効果があるものだしね。それに戦闘面から見てあれhpipipipipipipipi!!神裂!頼むから携帯はマナーモードにしよう!』

「とまぁ。こんな感じ」

「…まぁ人それぞれの感じ方があるみたいですねー」

「結論。ダサイ。決定」

「ちょっ!?」


「さて。今回はこれくらいで」

「それにしても今回は本編もこちらも後書きすらも短かったですー」

「まぁ。そろそろ。大学の試験。本腰入れないとまずい。はず」

「ですよねー。とりあえず、今回はこれぐらいで。それでは」

「「さよーならー」」

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