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七月十八日 四【量子変速編】

1度目の爆発は洋服店「セブンスミスト」の内部でのことだった。
だが、誰もが予期しなかった2度目の爆発はすぐ近くの路地裏で起こった。
悲鳴をあげるもの。
なんだなんだとやじ馬根性をみせるもの。
慌てて駆け寄る風紀委員達。
彼らの目の前には信じられない光景が広がっていた。
路地の中は爆風によって吹き飛ばされたのか生ゴミや瓶などのゴミが散乱していた。
そして、その中心には、







とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第7話








それは一瞬の出来事だった。



綾峰は爆発に巻き込まれると確信し、これで終わるのかと疑問に思った。
此処で。終わる。
全てが。終わる。
やっと。終わる。
1人だけ助かったという呪縛から、1人で生き抜いてきたという地獄から、解法される。
ふと、1人の少女の顔が浮かんだ。
それだけが心残り。
それだけが悔恨。
否、こんなところで終わるのか?
疑問が湧いた。
怒りが渦巻いた。
力が湧いた。
こんなところで終われるものか。
終わってやるものか!

「ウオオオオオオオォォォォォォ!!!!」

力が、体の中から漲ってきた!
そして俺の体からは正体不明の力が飛散する。
それはレベル4の『量子変速』によるアルミ爆弾の爆風すら押し返し、無効化した。
感じる、今まで以上の力を。
これは…………一体?

『やっと目覚めたのですね、ユタカ。ロトの血を引く者よ』

なんだお前は!?

『私はアルス。お前の先祖だ。どうだ?ロトの血の力は!?』

なるほど、これは確かにすごい力だ。

『行け、ロトの血を引く者よ。かの魔王を倒すのだ!!』



だが、断る!!














という妄想をしてた頃が自分にもあr(ry
本当に一瞬のことだった。
実際には綾峰は今だに爆弾をどうにもできていない。
綾峰が唯一できることとしたら、『AIMジャミング』により爆弾の威力を最低限に落とすことだけだった。
しかし、それも自信がなかった。
なにせ、相手の力はレベル4。
しかも綾峰は先ほどの戦闘で演算能力はがた落ち、途中で断続的に起こる頭痛が集中力を削いでいた。

(こりゃ、駄目だな)

綾峰はそう思った。
そして、

(そういや、白井には散々迷惑かけたなぁ)

と思った。

「まったく、これだから後先考えない上司ってのは困りますわ」

声が聞こえた。
きっと幻聴だと思った。

「尻拭いをする部下の身にもなれってんですわ」

そして爆弾は、
遥か上空で爆発した。

「「は?」」

綾峰と男子生徒はぽかんとした表情で上空を見上げる。
夕方の空に爆発した爆弾は花火というには少し味気なかった。

「へ?うわ!?ぎゃぁ!!」

「風紀委員です。危険物使用及び所持の容疑で確保しますわ」

「く、くそ!!俺はどんなに頑張ってもこうやっげふ!」

爆弾を処理した風紀委員は犯人を軽々と取り押さえ、しかも気絶させた。
綾峰はやっとのことで、

「はれ?…………白井?爆弾は?」

スカートについた埃を払う白井に聞いた。

「爆弾は爆発しても影響ないくらい遥か上空に『空間移動』させましたわ」

「…………その手があったか」

「その前に何か言うことがあるんじゃないですの?」

胸をはりながらも口を尖らせた白井が綾峰に言う。
綾峰はそんな白井に苦笑しつつ、言った。

「ああ、わりぃ。後任せた」

「へ?」

そのまま倒れ込む綾峰。
既に限界を超えてたりしたのだ。

「ちょ、ちょっ、ちょっと綾峰せんぱっ……きゃあっ」

そして倒れ込む綾峰を支えようとする白井だったが、体格の違いでそのまま下敷きになって倒れてしまった。
そこに先ほどの爆発で近寄ってきたギャラリー達。
同じく駆け寄ってくる風紀委員達。
もちろん、彼らの視線は一点に集中する。
それはもう、恋人のように抱きあっている(ように見える)白井と綾峰に。
あまりのことにパニクった白井は『空間移動』もできずに綾峰の下敷きになるしかなかったのだった。


「あ、あの。白井さんっててっきり御坂さんにしか興味がないのかと思ってたんですが…………その、昼間から大胆ですね」

「ち、違いますわー!!って初春!?下敷きになってるだけですから!本当に!って何ですの、その微笑みは!?早く助けなさいですのー!!」






「むっ。…………ここは?」

綾峰は見知らぬ天井を見ながら目を覚ました。
一瞬自分に何が起きたのか、思い出せずパニックを起こしかけたが、すぐに能力の使い過ぎで倒れたことを思い出した。

(そう言えば、何故か夢の中で土御門や青髪ピアスが「ようこそ、仲間よ」とか言ってたけど何だったんだ?)

回りに引かれているカーテンを見ると、あの後病院にでもかつぎこまれたのだろう、既に日が下りていて暗くなっていた。
頭の動きはまだ鈍いが、演算能力も少し休めば回復するだろう。
そこまで考えて、初めて枕もとに誰かいることに気がついた。
枕の左側から寝息が聞こえた。それもすごく穏やかな。
体がまだだるく動かせないので綾峰は首だけを横に向ける。
そこには白井の寝顔があった。どうやら看病しているうちに眠ってしまったらしい。
しゅばっという音が聞こえそうな勢いで首を反対方向に向ける綾峰。
その頬はすこし紅潮していたりする。

(な、なんで白井がここにいるんだ!?)

初めはパニクっていた綾峰だったが、次第にこんな反応すれば逆に意識しているようで、それこそアイツラの仲間(ロリコン)じゃないかと気がつく。
深呼吸をすると体を起こし、ベッドの左側で椅子に座りながら綾峰のベットで寝息を立てる白井の頭に手を乗せた。

「……う、みゅう」

少し反応するが、疲れているのだろう、起きなかった。

「ありがとな、白井。助かった」

そう言って白井の頭をなでる。
その時、入り口で何かが落ちた音が聞こえた。

「?」

振り向くと、そこには上条と御坂と初春がいた。
初春の足下にあるのは、たぶんお見舞いの造花だろう。

「「「「…………………………」」」」

無言になる四人。
とても気まずかった。
綾峰は単に感謝しているだけだ。が、どうしても何かがすごく気まずかったのだ。
その沈黙を破ったのは白井だった。

「…………大好きですわ~♡」

白井の寝言に空気が凍った。
決定的だった。
きっと白井の見ている夢は「お姉さま」なのだろう。
だが、それは決定的すぎた。
綾峰は首を横に振る。
否定の意を示すために。
だが、3人は首を縦に振り、優しい笑顔で去っていく。そそくさと。
最後に御坂が扉を閉めながら止めを刺した。

「お邪魔しました~」

「ちがーーーーーう!!!!!!」

その声は病院中に響き渡ったのだった。

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