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七月十八日 参【量子変速編】

(やっちまったなぁ~。メンドクセー)

綾峰は現在進行形で後悔をしていた。

「『多重能力者(デュアルスキル)』?」

綾峰の目の前には驚きの表情で固まっている親友、上条 当麻と部下を通じて知りあった御坂 美琴の2人。
しかも綾峰の格好が黒仮面と黒雨合羽であるために、あからさまに警戒されている。

(く、『幻想殺し(イマジンブレーカー)』の上条に、『超電磁砲(レールガン)』の御坂…………やべぇ。勝てる気がしない)

そもそも綾峰の能力ではAIM拡散力場を持たない上条の動きは感知できない。
御坂の能力も綾峰がいくら大量の能力を使った所で電撃で一蹴されるだろう。

(ならば、上条はカウンターで…って違う違う!そもそも闘うことを考える時点で間違えてる。俺はこいつらと敵対関係になったところで何の得もないんだ)

通常、敵対したくない場合は友好的な態度をとった方がいい。

(よし、まずはフレンドリーに)

とある考えの元に綾峰は手の喉にあてた。







とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第6話







上条と御坂の前で『多重能力者(デュアルスキル)』らしき男は喉に手を当てた。
男の突然の動きに身構える御坂。
それを見て上条もわずかに身構える。
そして、男は、

「ワタシハ宇宙人ダヨ」

と言い放った。

「すごーい、お兄ちゃん。宇宙人なの!?私初めて見た~!」

純粋無垢な女の子が握手して~と近づいてくる。

「わ、わ、わ、どうしよう。私も初めて見ました。というかサインしてくれますか?」

「へー、宇宙人って本当にいるもんなんだな。つーか、あの仮面と雨合羽が宇宙服なのか?」

初春はサインサインと、ポケットの中から何か書けるものがないかと探し出し、上条はいるんだなー、と自称宇宙人と握手をする女の子を見守っていた。
御坂は、

「すごいのねー、宇宙人かー。それならありかー。って



 んなわけあるかぁ!!!!!!!!

キレた。
体中から雷を出し、その音は千の鳥がさえずるようであった。

「ナッ。ソレハ千鳥!?」

男は変な声をあげつつ、女の子を初春に預ける。

「『多重能力者(デュアルスキル)』!あんたふざけんのも大概にせぇや!!」

「って御坂!?落ち着けって。何か言葉使いがお嬢様とは言えないレベルになってるひぃっ!?」

上条が慌てて落ち着かせようとするが、御坂の一睨みによって黙らされた。

「初春、その子と一緒にちょっと隠れてなさい。そこにいると巻き込むわよ」

「は、はいぃぃぃ!!」

御坂の言葉に慌てて初春達は部屋の隅に退避していった。

「ワタシハ争ウツモリハナイ」

「そっちになくてもワタシはあんのよッ!」

男の声に耳も貸さず、御坂は電撃を男に飛ばす。
しかし電撃は男に届く前に男の前に出現した黒い物体によって弾かれる。

「ちっ。その黒いのが面倒ね。アンタ!!あれ、消しなさい」

「はいぃぃぃ!!ってなんで私めがやらねばってやります!やりますからその目は怖いから!!つーか、そんな目見たらあの子がトラウマになっちゃうから」

御坂に呼ばれた上条は恐怖に震えつつ『多重能力者(デュアルスキル)』の前に立つ。

「すまんっつーか。なんつーか。俺の安全のために捕まってくれ」

「デキナイ相談ダ」

「くっそー!不幸だー!!」

不幸だと叫びながら上条は右手で黒い物体に触れる。
瞬間、黒い物体は元から何も無かったように消えてしまう。

「よし、そのまま行きなさい!私が援護するわ!」

「うおおおおおおお!!」

御坂が電撃で『多重能力者(デュアルスキル)』を攻撃し、それを捌かなければならない『多重能力者(デュアルスキル)』は上条から意識を外す。
その間に上条は一気に『多重能力者(デュアルスキル)』の懐に入るとその顔面についた仮面ごと右手で殴ろうとした。

「もらったぁぁあああ!」

瞬間、上条の腕と軸足が『多重能力者(デュアルスキル)』の『念動力』によって弾かれる。

「なッ!?」

上条の右手は『多重能力者(デュアルスキル)』の仮面にかすりもせず、上条はバランスを崩し一気に無防備な状態になる。
無防備になった上条の腹に『多重能力者(デュアルスキル)』の正拳突きがクリーンヒットした。
そのまま吹き飛ばされた上条は壁に激突し、崩れ落ちた。
しかし、それも御坂の計算のうちだった。

「貰ったわ」

『多重能力者(デュアルスキル)』の背中に御坂の手が押し当てられる。
瞬間、『多重能力者(デュアルスキル)』に電撃が走った。
全身から煙を上げ、『多重能力者(デュアルスキル)』は倒れた。





「やったー!!勝ったー!!」

御坂は勝利のガッツポーズをとる。

「すごいです!御坂さん!…………って良く考えたら、その人特に悪いことしてませんよ!?というか私達を救ってくれた恩人なんですけど…」

初春が感激しながら駆け寄って、すぐに当然の疑問を抱く。

「あれ?え?あれぇ?…………あー……何で私こいつに勝負ふっかけてたのかしら?」

御坂も一気に頭が冷めたのか、自分の怒りの理由を忘れていた。

「知るかー!つーかそんな理由もわからない喧嘩に上条さんは巻き込まれたのですかー!?なんつーか不幸だー!」

上条が壁でぎゃーぎゃーと叫ぶ。

「というか大丈夫なんですか?この人さっきからぴくりともしてませんけど」

初春が心配したのは当然だ。
なにせ先ほど電撃を受けた直後から『多重能力者(デュアルスキル)』は全く動かないのだ。
それこそ指先すらぴくりとも動いていない。
初春は急に不安になったのか『多重能力者(デュアルスキル)』の首に手を当てて脈を測り、

「ってこの人、脈がないですよ!?」

衝撃の事実を告げた。

「ええーー!!?」

突然の事実に御坂の脳裏に「レベル5の殺人者!!」「女子中学生、恩人を殺害!!」「学園都市のレベル5第三位が殺人事件の加害者か!?」といった新聞の見出しが駆け巡る。

「と、とにかく心臓マッサージしよう!!」

上条が慌てて近づいてくる。
そして心臓マッサージをしようとして、『多重能力者(デュアルスキル)』の胸に手を当てた瞬間。

『多重能力者(デュアルスキル)』の体が砂状になって消えた。

「「「はっ?」」」

残ったのはカードが1枚。

そこには、

「引っかかってやんのー m9(^Д^)プギャー」

「あの野郎っ!!!」

御坂は再度雷を轟かせた。
それのとばっちりを受ける上条は右手でどうにかそれらを打ち消していく。

「なんつーか、不幸だー!!!」






「ん?何かいま上条の悲鳴が…………気のせいか?」

そう言って綾峰は「セブンスミスト」から少し離れた路地裏に『空間移動』していた。
先ほどまでの仮面と雨合羽は既に消してある。
あれは能力によって作ったものなのでいつでも好きな時に消せるのだ。
というよりも今は消さざるを得なかったのだが。

(つーか、大能力レベルの『空間移動』を2回も使うはめになるとは…………それに”分身”を置いてくるのに演算可能レベルギリギリだっつの。あー、頭が割れそう。メンドクセー)

その場で倒れそうになるのをどうにか堪えていると、目の前で見知らぬ学校の男子生徒が、

「スゴイッ!素晴らしいぞ僕の力!徐々に強い力を使えるようになってきたッ!」

なんか叫んでいた。

(うっ、頭に響く)

「もうすぐだ!後少し数をこなせば、無能な風紀委員(ジャッジメント)もアイツラもみんなまとめて……吹き飛ばッ「うっせぇんだよ!バカ野郎!!」…!!!?」

いい加減本気で頭が痛くなってきた綾峰が男子生徒を後ろから蹴り飛ばした。
男子生徒はそのまま壁に激突してごみ箱のポリバケツにつっこんだ。

「な!?一体何が…?」

男子生徒は立ち上がりながら回りを見る。

「うるせーな、さっきからごちゃごちゃと」

「!!? 風紀委員(ジャッジメント)!!?」

目の前の綾峰の腕章を見て、男子生徒は驚きの声をあげた。

「だったらどうしたバカ野郎」

「くっ。お前らが悪いんだ!! お前らが無能だから!お前らが無能だからアイツラみたいなのがはびこるんだ!!」

「………………」

綾峰は男子生徒の様子がおかしいことにやっと気がつき、男子生徒の声をスルーしつつ『能力解析』をかけてみる。

『量子変速(シンクロトロン)』レベル2。

(これが例のレベルの合わない犯人ってやつか)

「くっそ、無視すんなよ!!これでも喰らえ!!」

そう、レベル2…のはずなのだが。
おかしい。と綾峰は違和感に気がつく。
男子生徒が手にアルミ製のスプーンを持って能力を発動した瞬間、
どこからかAIM拡散力場が集合して、男子生徒のレベルが2から3、3から4へと急激に上昇していく。

(って、ヤバっ。こんなところで爆発したら…………)

綾峰の背に嫌な汗が垂れる。

『能力解析』!!

一気に相手のAIM拡散力場を解析し、それを即座に逆位相に書き換える。

『AIMジャミング』!!!

綾峰の能力が発動と同時に、男子生徒の『量子変速』のスピードを下げていく。
しかし、完全に止まるには至らない。

(急激なレベル上昇に『AIMジャミング』が追いつかないのか!?)

既に他の能力を使う余力は綾峰にはない。
そして、一気にスプーンがひしゃげ。

(爆発する!!?)




次の瞬間、再度爆音が現場に轟いた。

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