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七月十八日 弐【量子変速編】

「白井!俺はいますぐ現場に向かう、お前は支部のメンバー達に即座に連絡をいれろ。それからもし風紀委員(ジャッジメント)の誰かがセブンスミストにいるならそいつをすぐに避難させろ。さっきの推論が間違ってなければそいつが今回のターゲットだ」

「はい!」

白井に命令を出して綾峰はすぐに支部を後にする。

「セブンスミストは……こっちだな!」

そう言って綾峰は走り出した。








とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第5話








時は少し遡る。
まだ御坂達3人がセブンスミストに向かう途中でのことだった。

「あー、『幻想御手(レベルアッパー)』があればなー」

御坂がレベル5であることを聞いた佐天がふともらした。

「え?何ですか、それ」

「いや、あくまで噂だし、詳しいことはあたしも知らないんだけど……」

そう言って佐天が噂に聞いた『幻想御手(レベルアッパー)』の説明をする。

「あたしたちの能力のレベルを簡単に引き上げる道具があるんだって
 それが『幻想御手(レベルアッパー)』」

「ま、ネット上の都市伝説みたいなもんだけどさ」

と、佐天は言葉を結んだ。

「そりゃ、そうですよ。そんなのがあったら苦労しません」

初春も親友の話に相づちをうつ。

「でも、ほんとにあったらあたしでも…………」

「佐天さん?」

「あはは。なんでもないよー」

そんな2人の会話を聞きながら、御坂は下校中に聞いた「『書庫』のデータとレベルの合わない能力者」のことを思い出していた。

(『幻想御手(レベルアッパー)』か…………まさかね)

「そういえば都市伝説って言えば『多重能力者(デュアルスキル)』ってのも有名だよねー」

「あ、それ聞いたことありますよー。確か研究所という研究所を潰してるんですよね?」

「へ?あたしは仮面と雨合羽を着た男が突然現れて犯罪者達をぶちのめしたりしてるって聞いたよ」

どうやら処々で『多重能力者(デュアルスキル)』の噂は1人歩きしているらしい。

「『多重能力者(デュアルスキル)』ってのは聞いたことあったけど仮面に雨合羽って初めて聞いたわ」

御坂は前に白井に聞いたことはあったが、服装についてまでは聞いたことがなかった。

「そうなんですよ、それで悪いやつらの前に颯爽と現れて風紀委員(ジャッジメント)が到着する前に全て解決するっていうんですからすごいですよねー」

「むぅ、そんなの聞いたことないですよー?」

佐天の言葉に初春が反論する。

「あはは、まぁただの都市伝説だしねーって、ほらあれですよ。セブンスミスト」

そうして、3人はセブンスミストに辿り着く。








それから数十分後。

『初春ッ!!!今どこにいるんですのッ!!?』

電話越しに聞こえてきた白井の大声に初春は耳から携帯を遠ざけた。

「し、白井さん。そ、その自分は今警邏の途中で…『例の虚空爆破事件の続報ですの!』えっ!?」

慌てていいわけを始めようとする綾峰を遮った白井の言葉に初春は驚きの声をあげた。

『衛生が重力子の爆発的加速を観測しましてよ』

「か、観測地点は?」

『今近くの風紀委員(ジャッジメント)達を急行させていますの。綾峰先輩も既に向かっています。あなたも速やかに現場に向かいなさい!』

「ですからっ、観測地点っ」

『第七学区の洋服店『セブンスミスト』ですの!』

白井の言葉に一瞬驚いた初春は、すぐに歓喜の声をあげた。

「……ラッキーです。私、今ちょうどそこにいます!!」

『何ですって!!? ちょっ!初春!?初春!!?』

白井が驚きの声をあげるが、既に初春は携帯から耳をはなしており、白井の声は聞こえていなかった。

「御坂さん!」

そうして、初春は風紀委員(ジャッジメント)としての指示をてきぱきと出し始めた。




「初春!?初春!!?」

あまりの事態に慌てて白井は大声をだすが、携帯から初春の反応はない。
どうやら客を避難する為に行ってしまったようだ。

「くっ、人の話を最後まで聞けですの!」

そう言って一度携帯を切ると、別の電話番号にかけなおす。
初春の携帯と違い、すぐに反応が返ってくる。

『白井か!?現場には誰かいたか!?』

「最悪ですわ。初春がいましたの。しかも初春も話を聞かないまま客達の避難に行ってしまって」

『わかった、もうすぐで俺も着くから。お前は引き続き初春に電話をかけて避難させろ』

「はい!」

白井は一度切ると、再度初春に電話をかけなおした。





「ふぁあ。よく女の買い物は男が疲れるって聞くが本当だったんだな…………疲れた」

1人ごちた上条は1階の入り口付近でクーラーの風で涼んでいた。
先程まで女の子と一緒だったのだが、途中でビリビリ(御坂)に出会い、しかもどうやら2人は知りあいらしいので預けてきたのだ。

「それにしてもアイツはいっつも勝負だーとしか言ってこねぇな。こんな店にいるんだから少しは女らしいとこもあんのかと思ったけど…………ん?なんだ?」

店の中が少し騒がしいのに気がついた上条が中の様子を見ようと奥に進もうとしたところ風紀委員(ジャッジメント)と店員から建物を出るようにという放送が流れてきた。
しばらくの間、出てくる客たちを見ていたが、ビリビリもあの女の子も出てこない。
原因はわからないが、どうやら緊急事態だと判断した上条は中に向かって走り出した。






それから数分後、綾峰はやっとセブンスミストに辿り着いた。

「はぁっ……はぁっ…はぁっ。初春は…………いねぇか。って事はまだ中だな」

爆発もまだ起こっていないがタイミングは分からない。すぐにでも爆発する可能性だってあるのだ。

『能力解析』発動!

すぐにセブンスミスト内部のAIM拡散力場を調べ上げる。
爆弾も能力で作られたものである限り、必ず反応するはずだ。

「って、もう爆発寸前か!?」

建物内部にあった爆弾は既に収縮を始めている。
爆弾の回りには能力者が2人いるが、あのままでは爆発に巻き込まれてしまうだろう。
この時、綾峰はまるで後先を考えていなかった。
そして次の瞬間、
綾峰は店の内部に『空間移動』した。




「逃げてください!! あれが爆弾です!!!」

そう叫びながら初春は女の子を抱えてしゃがみ込んだ。
できるだけ、女の子の盾になるように女の子と投げ捨てた爆弾の間に自分の体を入れる。
そして目の前の爆弾はその場にいた上条、御坂のどちらが見てもわかるぐらいに収縮し始めた。
御坂は超電磁砲で爆弾ごと打ち抜こうとポケットからコインを出そうとするが、慌てるとっさの事にコインが手から滑り落ちてしまう。

「マズった!! 間に合っ」

御坂が言い終える間もなく、


轟音と灼熱がセブンスミストを包み込んだ。





爆弾が爆発した際、御坂は目を瞑っていた。
迫り来る死という恐怖に人間としての当然の反応だった。
だが、一向に爆風は御坂を襲わなかった。
そろそろと目を開けると、御坂の目の前には御坂を庇うように手を前につき出した上条の姿があった。
どうやら上条が自分を救ってくれたのだとすぐに御坂は理解した。
そして自分が助かったということに、安堵しかけたが、すぐに爆弾を間にして反対側にいた初春達のことを思い出した。
回りを見ると天井、壁、柱、タイルといった爆風を受けたもの全てがくろこげになっていた。
上条の後ろ側には全く影響がなくタイルも壁も白いままだったが、その爆発前後の差がいっそうその威力を見せつけていた。

この爆発の中をあの2人は生き残れたのか?

御坂と上条は慌てて先程2人がいた方に向かって煙の中を進むと黒い壁のようなものに気がついた。

「何?これ?」

「さぁ?」

そう言って上条が右手で壁を触ると、壁は一瞬で霧散した。
そしてその向こう側には。

「おにーちゃーん、おねーちゃーん!」

「御坂さん、大丈夫でしたか!?」

無傷の初春と女の子の姿と、

「…………………………」

その横に黒い仮面と雨合羽を着た男が立っていた。



その姿を見て、御坂はさきほど佐天が言っていた言葉を思い出した。

『仮面と雨合羽を着た男が突然現れて犯罪者達をぶちのめしたりしてるって聞いたよ』

これが、

「『多重能力者(デュアルスキル)?』」

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