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七月十八日 壱【量子変速編】

「なぁ、上条。これはデジャヴっつーのか?」

またも翌日、上条と綾峰2人の下校だった。

「今日も何か事件が起きそうな気がする」

「つーより、お前の場合1日1事件が当たり前だろ?」

「何だその1日1善的な言い方。メンドクセーな。しかも俺は単に巻き込まれてるだけなんだぞ?それに昨日のあれを事件って言うのか?」

「うっ。それは悪かったって言ってんだろ」

綾峰が言ったのは昨日御坂が勢いあまって壊したATMのことだ。

「それにしてもお前あの後1晩中、御坂と追いかけっこやってたのか?」

朝、登校してきた上条の一言目は「眠い………不幸だ…………」だった。
結局綾峰に女子中学生と手を取り合って街に消えたことを報告された土御門と青髪ピアスによって制裁をうけていた。

「あー、まーな。つーか何であいつはあんなにつっかっかってくるんだ?」

「知らねーよ。はぁ、何でお前のフラグ乱立体質は節操ないんだか、メンドクセー」

「何だそのエロゲーみたいな設定。つーか不幸な上条さんはそんな幸運経験皆無ですよ!?」

「お前は今全世界の健全なる男子諸君を敵に回した、謝れ、特に画面の外にいる年齢=彼女いない歴な人達に謝れ!」

「画面?お前なに言ってんだ?」

「気にすんな、電波を感じただけだ」

「そういやお前はあの後どうしたんだ?何か全身擦り傷だらけだけど」

綾峰の体中にバンソーコーが貼られている。

「あの後、部下の白井が来てな。サボってたのがバレてオシオキされてた」

「オシオキ?」

「『空間移動』で上空30mぐらいの高さに上げられて、そのまま自由落下、そして地面に激突する寸前でまた上空30mぐらいの高さに、自由落下、30m、自由落下…以下エンドレス」

「………………………………」

無言の上条は震えていた。

「最後は砂場に落としやがって、地味に痛かった」

「自業自得だろ」

「うるせー」

綾峰は泣きたくなった。








とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第4話








何事もなく上条と別れた綾峰は風紀委員(ジャッジメント)の第一七七支部にいた。
流石に昨日の今日である。
2日連続オシオキは体に悪いのだ。
特に胃とその中身に。
そういうわけで、綾峰は普段はポケットにしまっている風紀委員(ジャッジメント)の腕章を腕の袖に付けて3日振りに来た支部の自分の席に座る。
そこに積まれているのは天井にも届きそうな書類の山だった。

「あるぇ~?白井?俺って3日前にこの書類の山を消したはずじゃなかったっけ?」

傍の席に座る白井に訊ねてみる。

「なに言ってんですか。綾峰先輩は副支部長なんですから、3日も休めばこれぐらい溜まるに決まってますわ」

実は綾峰は副支部長とかいう偉い席に着いてたりするが、サボり癖ゆえにたまにこうして来ると仕事が一気に溜まっていたりするのだ。

「それにしたって溜まりすぎじゃないか?」

「当たり前ですわ、ここのところ能力者の事件が多発してるんですの。それにその能力者達の能力の実際のレベルが『書庫(バンク)』にあるデータと一致しないものですから、書類の不備がないかなどの確認で、なおさら書類が増えてるんですわ」

「だりぃ、帰る、帰ろう、帰ります、実家に帰らせて頂きまぐふっ!?」

目が死んだ魚の目になって逃げ出そうとする綾峰の首が何故か綾峰より背の低い白井によって掴まれる。
いつの間にか綾峰は白井に引きずられる格好になっていた。

「ウフフ、ウフフフフ、これでも私と初春、特に私ですが。頑張って頑張ってこの量まで減らしましたのよ。今日こそは絶対に逃がしませんわ」

「痛いっ!痛いッ!何か食い込んでるぞ!?てか白井?白井さん?白井様?怖いってその顔こえぇ!!つーか最近お前荒れすぎだっつの!」

「仕方ないじゃありませんの。あまりにもデータが一致しないんですもの。それにここ最近、風紀委員(ジャッジメント)の負傷者も増えてきてますし…………」

「…………風紀委員(ジャッジメント)の負傷者?」

「えぇ、連続虚空爆破事件やら他の事件での能力者たちのレベルの増加に対応しきれないみたいですの」

「ふーん。オーケー。分かった」

そう言って綾峰は自分で立ち上がると資料の山に向かっていった。
その目は先ほどまでの死んだ魚の目ではなく、鷹のように鋭い眼光に溢れていた。

「白井、その『書庫』のデータとレベルの合わない事件の詳細と負傷者のリスト、そして負傷者の立ち会った事件のデータはこの山にあるのか?」

「は、はい!ですが既に積みに積み過ぎてどれがどれだか…………」

綾峰の空気が変わったことに気付き、白井は慌てて礼儀を正す。

「いい、1時間で終わらせる」

そう言って、綾峰は書類の山に向かった。



1時間後。



綾峰の机は綺麗さっぱりに片づき、既に書類は目を通した後だった。
そして綾峰はある事件の情報を見続けていた。
それは『連続虚空爆破事件』。
犯行方法はいたってシンプルで『量子変速(シンクロトロン)』という能力を使って爆破をするというものだった。
具体的にはアルミを基点に重力子(グラビトン)を増大ではなく加速、周囲に放出させるものだった。
ようはアルミを爆弾に変えているのだ。
犯行の場所は様々で、飲食店だったり時にはゲームセンターでも起こっていた。
そして使用されるのはアルミ製品を入れた鞄やぬいぐるみなどだった。
しかしその犯行場所も時間も、特に共通項はない。
問題はこの事件を起こせる程のレベルを持つ人物がこの事件が発生する前日に意識不明で病院に運ばれていることだった。
これは既に実際に知りあいの医師に確認もとってある。
故におかしい。唯一のレベル4の 釧路 帷子(くしろ かたびら)がいない以上、この事件は起きないはずなのだ。

だが、そんなことはどうでも良い。

綾峰が最もひっかかったのは負傷者の数だった。
この事件が起きたのが1週間前、そして毎日この事件は起きて既に6件。
同時に、風紀委員(ジャッジメント)の負傷者の数もこの1週間の間で9人。
しかもその全員がこの虚空爆破事件で負傷している。

「いくらなんでも多過ぎるな、もしかして……狙いはこっちか?」

そう言って自分の腕章に視線を向ける。
盾をイメージしたという風紀委員(ジャッジメント)の紋章。
それは弱きを救う盾という信念と共にある1種の抑止力。
だが、それは同時に誰かに狙われる対象となりやすい。
つまり、綾峰の考えは

「この事件、『連続虚空爆破事件』は風紀委員(ジャッジメント)を狙ったものですって!?」

白井の驚く声が風紀委員(ジャッジメント)の事務所の中で響いた。
幸い、他の風紀委員(ジャッジメント)達は警邏の出かけており聞いているものはいない。
あくまでこれは推論なので下手な噂になってもまずいと綾峰は考えて白井に聞いてみたのだが、白井が真剣に考え込んだと言うことはその推測は意外にも納得がいくらしい。

「ああ、動機はよくわからんが。そう考えると不思議じゃない。ぬいぐるみや鞄なんて”警戒させない形”になっているのは”警戒する相手”がいるという前提があるからだ」

「だから風紀委員(ジャッジメント)が狙われている、ですか……」

「とりあえず、ここ数日連続で起きている。と言うことは」

「今日も誰かが狙われる……はい!風紀委員(ジャッジメント)第一七七支部ですわ」

突然の事務所への電話に白井が応答した。

「はい……はい…………何ですって!!わかりました。すぐに警邏中の全風紀委員(ジャッジメント)達に連絡します」

「どうした?」

受話器を置いた白井に綾峰が聞く。

「先ほど、衛生が重力子の爆発的加速を確認したそうです、場所は

 第七学区の洋服店、「セブンスミスト」ですわ」






一方、そのころの上条は小さな女の子と一緒に洋服店に来ていた。
綾峰と別れてすぐのところで制服のズボンを掴まれたのだ。
どうやら昨日テレビで見た洋服店に行きたいのだが、道に迷ったとのこと。
店の名前を聞くと上条の知っている店だったので連れていってあげることにした。
店の名前は「セブンスミスト」。



それより少し前のこと、御坂と初春、そして初春の親友で同級生である佐天 涙子(さてん るいこ)の3人は最近流行の服を見に来たところだった。
初めは普通の店に”お嬢様”である御坂を連れて行くのは、と迷っていた2人だったが、御坂があまりそういうのに頓着しないものだと言うので一緒に服を見に来たのだ。
初春も警邏中という名目なため、風紀委員(ジャッジメント)の腕章を付けたまま、来ていた。
そして3人が来たのは洋服店「セブンスミスト」だった。

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