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八月七日 【日常編・詰込み】

そこは、花畑d(ry
俺は気がつけば立っていた。
他に表現ができないし、ただ立っていたとしか言えなかった。
回りを見ると、四季に関係なくありとあらゆる花が咲いている。
向日葵の横にチューリップが、カーネーションの横に菊が咲いていた。
と言っても、意外とこの学園都市ではそれほど珍しい光景ではなかったりする。
だから、特にこれといった驚きもなく、俺は歩いてみることにした。
そんな中で考える。

(ここは、何だ?

 どっかの実験場に寝ている間に連れて来られた……としたら初めに立ってた理由がわからんし。

 誰かの能力、だとしたら嫌にリアル過ぎるしな。それに能力だとしても何の能力だ? ここまで具体的に幻覚を見せられるってのはありえねえよな)

抜け出す事を考えながら歩いていると、ふと、川が見えてきた。
俺はゆっくりと川に近づいてみる。
その川は特に目立った特徴はなく、深いわけでも浅いわけでもない、同時に幅は広くもなく、狭くもない。
どこからどう見ても普通の川だった。
ふと、その川の向こう側に、俺の見知った顔がいた。

(あの野郎……)

そいつはあろうことか、この俺に手を振っていた。

「おーい、こっち来てみろよー」

そう言って手を振るそいつは横に同じく手を振る少女がいた。
ワンピースを着た少女は手を振って俺にこちらに来いと言っていた。

「っち。仕方ねえ。行ってやるよ」

この時、俺は非常に気分が良かった。
だから行ってやってもいいかと思った。
川に入り、ゆっくりと少女達の方に向かっていく。
進めば進むほど、俺の気分は良くなってきた。
なんか、もう何もかもがどうでも良くなってきた。

「おーい、こっちだよ~」

川の向こう側には、見知った顔の少年以外にも、ツンツン髪の少年、金髪サングラス、青髪ピアス、赤髪神父がいた。
全員が全員手を振っていた。
俺もそいつらに手を振ろうとして、

「ねえ、本当にいいの?」

無粋な声に邪魔された。

「あん? 何の用だ?『心理定規(メジャーハート)』」

俺がいた川岸にホステスのようなドレスに身を包んだ『心理定規』がいた。

「別に、単にあなたが本当にそれで良いのかって聞いてるだけよ?」

「何の事だよ?」

俺は半ば不機嫌な声で『心理定規』に答える。

「だって、そっちって。









ロリコンの巣窟よ?」

「は?」

我ながら情けない声が漏れた瞬間、背後から一斉に捕まれた。

「んなっ!?」

慌てて俺が振り返ると、そこには先程までの人当たりの良さそうな雰囲気から一転、凶悪な笑みを浮かべたロリコン共がそこにはいた。

「君も、此方側に来る資格があるんだ。さぁ、僕らと共に逝こうじゃないか」

「にゃー、まさかあんたがそういう人間だとは思ってなかったにゃー。でもまぁ、俺らは誰でも歓迎だぜい」

「わいも新しい同胞を待ってたんやでー」

「お前、自分が『普通の人間』だと思ってんだろ。だったらまずその幻想をぶち殺す」

俺を捕まえた四人の少年達は気味の悪い笑みを浮かべたまま、俺に意味のわからないことを呟いてくる。
そして、同じく俺を捕まえている見知った顔のそいつは、

「テメェが堕ちてこい。第2位」

あの時と同じ台詞を吐きやがった。

「や、やめろ。テメェら。俺は普通だ!!」

「ははは。メンドクセーヤツだな。ほら。こっちに来いよ」

『多重能力者』は俺を掴むと無理矢理川岸にひっぱっていく。

そして、川岸には、

「カキネのおにーちゃん。こっちだよ~」

あの時のガキが俺に向かって手を振っていた。











「俺は普通だああああああああああああああああ!!!」

これが、垣根帝督の朝の言葉だった。








とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第32話







場所は、公園、未だに夏のピークは過ぎないせいか、セミの鳴く声が公園に響いていた。
さて、端的に状況を説明しよう。
綾峰、愛玩奴隷。
白井、はむはむ。
御坂、般若。
上条、不幸だー!
あ、端折りすぎた。




昼ごろ、綾峰は白井の退院祝い(と言ってもただの検査入院だったのだが)のためにクレープを買うことになった。
というか、買わされた。
先日、と言っても昨日のことだが、白井に綾峰が

「そう言えば、昨日は白井に遅刻の連絡しようとしたら、雲雀が攫われ……あのー、しr、黒子?黒子さん!?黒子様!!?ギャーーーーー!!」

という自業自得な出来事があり、白井の怒りを鎮めるために綾峰は今日一日、白井の愛玩奴隷綾峰唯鷹となったのだ。
その直球従属姿勢は、
白井が暑いと言えば、右手に冷たい烏龍茶、左手には団扇を持ち、
白井がクレープを食べたいと言えば、即座にクレープ屋からクレープを2人分買ってくるのだった。

「って何で私の分まで!?」

驚くのは綾峰と一緒に退院の荷物を運ぶのを手伝いに来た、御坂だったりする。

「いえ、黒子様が神=御坂様と言ったら御坂様だけですので」

「唯鷹さん!何度言えばわかりますの!! お姉さまは女神ですわ!!」

「そうでした。すいませんでした!!御坂様!!」

「何で綾峰さんまで黒子色に染まってるの!?と言うか2人はいつの間に名前で呼びあう仲に!?そして2人で団扇煽ぐな!!私はどっかの新興宗教の教祖か!!」

綾峰の愚直なまでの従属っぷりに御坂は驚愕を通り越して半分引き気味だった。

「あら、お姉さま。何を言ってらっしゃるんですの?お姉さまが私のお姉さまである、と言う事は私の一日愛玩奴隷である唯鷹さんもお姉さまを敬うのは当たり前ですわ」

「ねぇ、綾峰さん。この子真顔でこんなこと言う子だけど……いいの?」

「……いやぁ。もう何て言うか惚れた弱みというか。つーか、他の男になびくよりはいっかみたいな」

「逆に惚気られた!?というか、それで良いの!?」

ツッコミを入れる御坂の後ろから、

「おーす、綾峰何やっ……げ、ビリビリ」

補習帰りの不幸なツンツン頭の少年がやってきた。

「誰がビリビリかー!!」

御坂が即座に反応し、ベンチから立ち上がりながら全身を帯電させる。
その際、手に持っていたクレープがぼとり、と嫌な音を立てた。
地面で。

「「「「あ」」」」

四人の声が重なる。
アイスやカスタード、そしてクレープに乗っていた様々な果実が地面で悲惨な最期を遂げていた。

「…………ふ、ふふふ、ふふふふふふ」

俯き、口から恐ろしい嗤い声を出している御坂の肩が震え、ばちり、ばちりっと体が帯電する。

「あのー、上条さんは何もしてませんよね?と言うかこれはビリビリの自業自とk…………って電撃飛ばしてくんな!」

言い訳めいた口調になる上条に御坂の電撃が放たれる。
それを間一髪で右手で防ぐ上条の前では怒りに震えた御坂が背後に般若を浮ばせて立っていた。
そして公園の中でいつもの追いかけっこが繰り広げられるのだった。
そんな2人をベンチに座ったまま見ながら、白井が綾峰に言った。

「唯鷹さん。私、右手が不自由なのでクレープのアイスを満足に食べられないですわ」

先日の事件で肩の骨を外されて、その傷が未だに癒えてないのだ。

「はい、ただいま」

白井は単に、アイスを左手で食べている間持っているのようにと言ったつもりだったが、
綾峰はクレープを片手で持つと、スプーンでクレープの上のアイスを1口分取り、白井の口の前に運んだ。
所謂、「あーん」だったりする。

「あ、あの。こ、これは……」

白井は文字通り真っ赤になるが、綾峰はまるで気付かないフリをしてスプーンを白井の口に運ぶ。

「? いえ、黒子様が食べにくいとの事でしたので、このように自分が食べさせてあげようと」

「…………は、はぅ」

口を開こうにもパニクり何も言えない白井の口に冷たいアイスが入れられる。
はむはむと、そのアイスを白井が味わう横で綾峰はにやにやと笑いながら、

「あーん」

と、言ってアイスを白井の口に運んでいた。
それを御坂と追いかけっこしながら見ていた上条が、

「俺がビリビリに理不尽な理由で追いかけられてるってのに、横では友人が年下の女の子と超甘甘空間発生中って、あー、もー、何て言うか。不幸だー!!」

「うるさーい。私だって、クレープ食べさせてもらいたいわよー!!」

「ぎゃー!!ビリビリ!?流石に日中の公園でその威力はまずっギャーーーーー」

昼過ぎの公園に電撃と、不幸な叫びと、甘い甘い空間が満ちていた。
ぶっちゃけカオスだった。





nakagaki

短編ですよ~。
と言っても、まだ続くのか?といった感じですが。
ぶっちゃけ甘いって何それ。くえるの?みたいな作者ですので、少し時間を下さい!(おい
あと、板の移動についてですが、その他板に移動しても大丈夫という意見をたくさん頂いたので、時期を見て移動しようと思います。
とりあえずは、八月中はこっちにいるつもりです。
もう少し、よろしくお願いします。





madamadatudukuyo-




『クロ様が見てる』

常盤台中学学生寮、二○八号室から彼の朝は始まる。

「きゅい」

午前六時半、独特の鳴き声をあげて、彼は飼い主である御坂のベッドの上で目を覚ます。
彼はトカゲのような頭部を持ち、その下は小型犬の赤ん坊程の体躯を持つ生物で、名はクロ。
2週間ほど前から御坂と白井に飼われているペット?である。

「きゅい」

クロはベッドから降りるとひょこひょこと窓際に向かい、カーテンを器用に開けて朝日を部屋の中に入れる。

「うぅ」

朝日に反応してベッドの上から聞こえてくる微かな声を聞き、クロはさきほどまでいたベッドに向かう。
ベッドの下までひょこひょこと歩いていき、一瞬、ぶんという音がするといつの間にかクロはベッドの上にいた。
そしてベッドの中でタオルケットにくるまっている飼い主である御坂の上を進み、

「きゅ~い~」

はむ、と御坂の耳を甘噛みし、ぐいぐいと引っ張る。

「んぅ、あとちょっと~」

御坂はタオルケットに潜り込もうとするが、クロはそれを逃さない。

「きゅーいー!!」

かぷり、という音と、

「ひゃうん!!」

というなんとも艶めかしい悲鳴が朝の二○八号室から響いたのだった。




「おはよ~♡。クロ~♡」

彼女の事をよく知っている者なら耳を疑うような甘ったるい声で、御坂はクロに朝の挨拶をすると、クロを撫でていた。
十数分間、クロが御坂の指を噛んでやめさせるまでそれを続けると、御坂はやっとこさベッドから這い出て支度を始める。
そして朝食前の身だしなみを整えると、御坂はすごく緩んだ表情でクロの撫で撫でを再開する。

「あー、クロ~。もう私クロさえいればいいかも~」

この御坂、もうだめかもしれない。

「きゅい?」

この数日間は白井がいたのである程度のところで止められていたのだが、今日は白井は検査入院で寮にはいない。
御坂も昨日の夜白井に電話で聞いて驚いていたのだが、どうやら風紀委員の仕事中に怪我をしたらしい。
今日には退院するらしいが、クロは心配だった。

「ク~ロ~。えへへ~」

主にこのもう一人の飼い主が。





やっとのことで出かけた御坂を見送ると、クロはいつものように散歩に出かけることにした。
部屋のドアを通り抜け、廊下を堂々と歩いていく。
最近のお気に入りのコースの1つだ。
その理由は、

「クロちゃん、これ昨日作ったお菓子のあまりなんですけどいります?」

「やほー、クロー。お菓子いる~?」

「あら、クロですわね。何か持ってたかしら」

と、このように会う生徒、会う生徒がお菓子や食べ物をくれるからだ。

「きゅい」

その度にクロは喜んでそれらにぱくついていく。
はむはむ、とクッキーを噛み。
もっきゅもっきゅ、とケーキを食べ。
こくこく、とミルクを飲む。
そんなクロの様子を見てを見て常盤台中学の女生徒たちは、

「ああ、もう。可愛い!!!クロ!うちの子になりません!?なってくれたら私、クロのために毎日クッキーを焼きます!!」

「ねー、クロー。うちの子になっちゃえよー。なってくれたらケーキとか食べ放題だよ~?」

「クロ、私の子になりなさい!!」

と口々に言うのだった。
しかし、クロは全員に首を振って、

「きゅい」

と答える。
そしてクロはとことことその場を後にするのだ。


そんなことがどの階でも続いていく。
同じような事が30人程に繰り返された後(この数は日に日に増えている)、クロは玄関に辿り着いた。
そこでクロを待ちかまえていたのは、

「ふむ、また君か」

常盤台中学学生寮の寮監だった。
細い眼鏡に肩まで下ろされた髪。スーツを着こなしたその風貌からはレベル3以上が常識の常盤台中学の女子生徒相手に対等以上に渡り合う者の貫録が見て取れた。
冷淡な目で見下ろした寮監は、独り言のように言う。

「我が常盤台中学学生寮ではペットは禁止されている。ましてや君のような正体不明の生物をペットなど言語道断。さて、私はこの寮の寮監だ。だから君を捕らえる必要がある」

「きゅい」

こくんとクロは同意するように頷く。

「だから、私は”たまたま”手元にあったお菓子で君を釣るわけだ」

そう言って寮監は懐からポッ○ーと書かれた小型の菓子箱を取り出すと、箱の中から棒状のクッキーにチョコを巻いたお菓子をとり出した。

「ほ、ほら。これが君の好物だろう?」

寮監はしゃがんでクロに向かってそれを差し出した。

「きゅい♪」

とことこと、クロは寮監に近づくと、
はむ、とお菓子に食いついた。

「はぅ、かわいい♡」

普段は見れない寮監の緩んだ顔がそこにはあった。


この常盤台中学学生寮、色んな意味でもうだめかもしれない。




常盤台中学学生寮を出たクロは、塀の上を歩いていく。
その途中、ネコにあった。
塀の上で横になっているのは、子供の三毛猫だった。

「にゃー」

「きゅい」

三毛ネコとクロはお互いに気楽な様子で声を掛け合うと、クロは三毛ネコと一緒に日陰で寝ころんだ。
ぬくぬくと日陰で休む2匹の前を見知った顔が通る。

「待てって言ってんでしょうがーーー!!」

「だー!もー!不幸だー!!」

「にゃー」

「きゅい」

二匹とも、『今日も平和だな』と呟いた。



2匹が寝ころんでいると、外から帰ってきた常盤台中学学生寮の女子生徒達が2匹に気付き、お菓子をくれた。
だが、集まり過ぎてきたので2匹はそれぞれ移動する事にした。
寝ころんていた2匹が立ち上がると、女子生徒達はきゃーきゃー言ってフラッシュを焚く。
2匹はそれに意も介さず、塀の上をとことこと進んでいった。

「にゃー」

「きゅい」

路地裏の入り口に着いた2匹はお別れの挨拶をすると、それぞれ別の方向へ歩いていった。



路地裏に入っていくと、クロは途中で大柄な男と出会った。

「…………」

「きゅい」

2メートルをゆうに越える目の前の存在にクロは感心するように上を見上げていた。
ふと、男が自らのズボンのポケットを漁ると、ポケットの1つから飴が出てきた。

「……食うか?」

陰鬱な声で問い掛ける男にクロは、

「きゅい」

と答えておいしく飴を頂いた。
去り行くクロを見て、男は陰鬱な声で呟いた。

「……くぁいいなぁ」





夕方、クロが散歩から帰ると、白井が帰っていた。

「きゅい」

ただいまの挨拶をしてクロは白井にすり寄る。

「おかえりなさいですわ。元気にしてましたの?」

「きゅい」

白井の問にクロは元気に答えたのだった。

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