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八月六日 参【狂乱逢引編】

第七学区、コンサートホール前。
時計の短針が11と12の間になった頃、カップルやアベックの集合場所として有名なこの場所の1画は1人の少女によって恐怖空間へと変わっていた。

白井黒子(魔王)だった。

既に正午を過ぎ、約束の10時から1時間以上も待たされている白井は嗤っていた。
どこから現れるのか言い寄ってくる男達を睨みで退け、最後の方は気迫で近寄らせないでいた。
ふと、ため息を吐く。

「それにしても、電話かメールの1つくらいよこしてくださっても良いですのに…………」

手に持っている携帯の液晶画面を見る。
未だに連絡は来ない。
1時間程すぎた頃に電話をしたが、『ただいま、電波のはいらない場所にいるか、電源を切っています』という音声が流れてくるだけだった。
再度、電話をしてみる。
数回のコール音の後、

『ただいま、電波のはいらない場所にいるか、電源を切っています』

という音声が聞こえてきた。

「まったくどこで事件に巻き込まれてるんですの?」

誰ともなしに白井は呟く。


そこに、携帯が鳴った。


「は、はい!」

慌てて電話に応対する白井の耳に、甘ったるい声が聞こえてきた。

『あ、白井さんですかー?初春ですー』

「あ、そう」

『白井さん!?近年稀に見るローテンションですね!?』

「そう?それで初春は何の用ですの?」

『えー、何か自動車の法定速度を超える速度で走ってる自転車がいるから捕まえて来いって話なんですが…………』

「…………あなたがやればいいんじゃないですの?」

『うわー。投げやりですねー!どうしたんですか?あ、もしかして綾峰先輩にデートをほっぽかれたとか』

「………………………………」

『あれ?白井さん?しーらーいーさーん?』

「初春」

ぼそりと、白井は呟いた。

『は、はぃいいっ!!』

「その爆走自転車やらを取っ捉まえるんでしょう?」

『そうですけど…………何か殺気篭ってません?』

「うふふふふふふふふふふふふふふふ、気のせいですわ。その自転車に乗ってる馬鹿なヤツを取っ捉まえて鬱憤晴らそうなんて思ってませんわ」

『いや、絶対思ってますよね?』

「初春?」

『は、はい』

「私は思ってないと言ったのですわよ?」

初春の耳にゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴという地鳴りのような音が聞こえてきた。

『そ、そうですよね。それじゃ、場所は………………』
第七学区、コンサートホール前。
時計の短針が11と12の間になった頃、カップルやアベックの集合場所として有名なこの場所の1画は1人の少女によって恐怖空間へと変わっていた。

白井黒子(魔王)だった。

既に正午を過ぎ、約束の10時から1時間以上も待たされている白井は嗤っていた。
どこから現れるのか言い寄ってくる男達を睨みで退け、最後の方は気迫で近寄らせないでいた。
ふと、ため息を吐く。

「それにしても、電話かメールの1つくらいよこしてくださっても良いですのに…………」

手に持っている携帯の液晶画面を見る。
未だに連絡は来ない。
1時間程すぎた頃に電話をしたが、『ただいま、電波のはいらない場所にいるか、電源を切っています』という音声が流れてくるだけだった。
再度、電話をしてみる。
数回のコール音の後、

『ただいま、電波のはいらない場所にいるか、電源を切っています』

という音声が聞こえてきた。

「まったくどこで事件に巻き込まれてるんですの?」

誰ともなしに白井は呟く。


そこに、携帯が鳴った。


「は、はい!」

慌てて電話に応対する白井の耳に、甘ったるい声が聞こえてきた。

『あ、白井さんですかー?初春ですー』

「あ、そう」

『白井さん!?近年稀に見るローテンションですね!?』

「そう?それで初春は何の用ですの?」

『えー、何か自動車の法定速度を超える速度で走ってる自転車がいるから捕まえて来いって話なんですが…………』

「…………あなたがやればいいんじゃないですの?」

『うわー。投げやりですねー!どうしたんですか?あ、もしかして綾峰先輩にデートをほっぽかれたとか』

「………………………………」

『あれ?白井さん?しーらーいーさーん?』

「初春」

ぼそりと、白井は呟いた。

『は、はぃいいっ!!』

「その爆走自転車やらを取っ捉まえるんでしょう?」

『そうですけど…………何か殺気篭ってません?』

「うふふふふふふふふふふふふふふふ、気のせいですわ。その自転車に乗ってる馬鹿なヤツを取っ捉まえて鬱憤晴らそうなんて思ってませんわ」

『いや、絶対思ってますよね?』

「初春?」

『は、はい』

「私は思ってないと言ったのですわよ?」

初春の耳にゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴという地鳴りのような音が聞こえてきた。

『そ、そうですよね。それじゃ、場所は………………』









とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第28話









第五学区、とある路地裏。
垣根が去った後、雲雀は1人路地に残された。
雲雀が回りを見ると、雲雀を攫った犯人達が重なって気絶していた。

(カキネのおにーちゃんなら道わかるかな?)

と考えた雲雀は垣根を追おうとして駆け出した。
その時、雲雀の手が誰かに捕まれた。

「え?」

驚いて振り返ると、そこには

「探したぞ。雲雀」

ぼろぼろの研究服を羽織り、汚らしい格好をした男、蛇縞 隼(へびしま しゅん)がいた。

その表情は愉悦と加虐の笑みを浮かべている。

「あ……ああ…………」

雲雀の顔がかつての恐怖に歪んでいく。

「いやああああああああああああああ!!」

雲雀の声が路地裏に響き、抵抗する間もなく鼻に当てられた布に付けられた薬品によって雲雀の意識は途絶えた。







昼まで後20分になった時、頃黄泉川の携帯が鳴った。

「はいよ。黄泉川ですけど、どなたさんじゃん?」

「? おーい。誰だか知らないけど、今どき無言電話なんて流行んないじゃん……!? 間違え電話?って切れた……」

首を傾げる黄泉川はジャージ姿で勤務先の学校にいた。
今日は補習で、夏休み関係なく先生は集まっているのだ。
と言っても、黄泉川は体育が担当なので本来補習の有無に関係ないのだが。

「黄泉川先生、日直お疲れさまですー」

「あいよー。月詠センセも補習おつかれさまじゃん」

学園都市の外でもそうであるように、この高校でも学校が休校期間中は1日1人、先生の内の誰かが電話番や色々な事務関係の仕事をするのが定例なのだ。
そして今日は黄泉川の番だった。
今までのことで勉強が遅れている雲雀の勉強を見てやりたいが、仕事あってこそ生きていけるのだ。
雲雀のためにも頑張らねば、と黄泉川は気を引き締め直す。

「それにしても妹さん、1人にしちゃって良かったんですかー?」

「んー、今日は月詠センセのところの綾峰に任せてあるからいいじゃん」

「ってまた、綾峰ちゃんを使ってるですかー?綾峰ちゃんにも都合があると思うですよー?」

「あはは。そりゃそうだけど、雲雀とも仲良いから良いじゃん?あー、でも綾峰以外の知りあいも増えればいいんだけどねー「♪~」っとはいよー。黄泉川ですけど、どなたさんじゃん?」

『……駒場 利徳という。黄泉川 愛穂であっているか?』

陰鬱な声が受話器の向こうから聞こえてきた。

「駒場?ああ、よく浜面とつるんでるヤツ?たしかスキルアウトのボスだっけ?それが私に何のようじゃん?」

『……あんたの妹が『デモンズ』というチームに攫われた。既にチーム自体は俺達で制圧したが、実行犯は未だ見つかってない。奴らの話だと、既に誘拐自体は行っているらしいんだが』

「ちょっ、ちょっ。待って欲しいじゃん?いきなり何を言い出すかと思えば、雲雀が攫われた?冗談は他所で『……冗談ではない。実際彼らの話だと、数日前にあんたが彼らの仲間を捕まえたと聞いている』…………確かに数日前に、デモンズってチームのヤツを何人か捕まえたけど。それで何で雲雀の誘拐って話になるんじゃん?」

『……彼らの意図としてはあんたの妹を使ってあんたに対して良からぬことをしようとしていたらしいが……』

「なるほど。話は見えてきたけど、読めないね。どうしてあんたが私に電話してくるんじゃん?別に通報なら私じゃなくても警備員(アンチスキル)でも良いだろうに」

『……1つに、俺が警備員にこの話をしてもスキルアウトの者では信用が低いと判断したから、もう1つは俺達はこれからあんたの妹を捜索するつもりだが、そのためにはあんたの妹の顔がわからないと無理だからだ』

「少し待って欲しいじゃん。今から確認するから」

黄泉川は一度電話を切ると、先日買ったばかりの雲雀の携帯に電話する。
数回のコール音の後、かちゃっと音がする。

「雲雀!今どこn『ただいま、電波のはいらない場所にいるか、電源を切っています』…………っち」

黄泉川は綾峰にも電話をかけるが、同じ結果になった。
数回2人にコールを繰り返した後、黄泉川は駒場にかけ直した。

『……どうだった?』

「だめだったじゃん……………わかった。今から雲雀の顔がわかる写真を浜面の携帯に送っとくじゃんよ」

『……俺達から言っておいて何だが、良いのか?そんな簡単に信用して』

「あの子を救うためになら私は何だってする、あんたらだって使わせてもらうじゃん」

『……分かった。俺達も全力で捜索する』

そう言って、駒場は通話を切った。
黄泉川はすぐに携帯に保存されている雲雀フォルダ06から雲雀の写真の一番可愛い写真(といっても黄泉川にとってはどれも可愛いのだが)を選び、浜面に送信した。
直後、警備員(アンチスキル)から雲雀が誘拐されたという情報が入った。
席から立ち上がった黄泉川を見て、後ろにいた小萌が言う。

「いってらっしゃいです。日直は代わりにやっときますよー」

「いつもすまないね。それじゃ、行ってくるじゃん」






時計の短針が丁度12を指した頃、綾峰は第五学区の路地裏に辿り着いていた。
化け物のようなタクシーから『空間移動』や『偏光能力(トリックアート)』を使い逃げ続けた末に第五学区に来たのだ。

「…………はぁっ…はぁっ……はぁっ……死ぬ。つーか、途中からただのレースになってただろ、あれ」

能力者相手に本気で追いついてくるスピード狂のタクシー運転手に戦慄を感じつつ、綾峰はため息を吐いた。

「それにしても……雲雀はどこ行ったんだ?」

雲雀のAIM拡散力場を辿りここまで来たのは良かったのだが、この路地裏に着いた時点で雲雀のAIM拡散力場は途切れていた。

(と言うよりも、別の強烈な力場に掻き乱されて感知できないってところだな)

例えるなら強烈な音に他の微かな音が潰されているような状態だった。
AIM拡散力場の残滓とは言え、他の能力者のAIM拡散力場をここまで圧倒するとなると、

「レベル5の誰かってことだろうけど………………」

綾峰は呟きながら考えていた。

(御坂の感じではないから、他のレベル5だけど………………『一方通行(アクセラレータ)』、『未元物質(ダークマター)』、『原子崩し(メルトダウナー)』…………どいつもこいつも一癖あるようなヤツばっかなんだよなぁ)

「メンドクセー」

つい、言葉が漏れる。
それでも、集中している内に微かに雲雀のAIM拡散力場を感知することができた。
それを追って行くと、見覚えのある車が横倒しになっているのを見つけた。
雲雀を攫った車だった。
傍に折り重なって倒れているのを見つけるとその内の1人の胸ぐらを掴んで思いっきり揺らした。

「おい!お前!雲雀はどうした!?」

少年は力なくされるがままに首を前後させていた。

「………………………………返事がない。どうやら屍のようだ」

「ああ、なるほど死んでんのか。それじゃ仕方ねぇな」

綾峰はそう言って少年を、

「って阿呆かああああ!!」

「へぶっ!!」

地面に叩きつけた。

「…冗談言う暇あるなら吐け」

「……………お、俺を倒してもまだ上には暗黒四天王が…………魔王Kが………」

「いや、知らんから。どうでも良いからさっさと言えって」

「くっ………………う、うぅ。白い翼の……能力者が…………すまない……同士Kよ、ぐはッ!!」

血へどを吐きながら少年は静かになった。
どうやら今度こそ本当に力尽きたらしい。

「………………えーと、こほん……白い、翼の能力者…………『未元物質(ダークマター)』しかいないよなぁ。メンドクセー…………とりあえず、救急車呼んどくか」

綾峰は呟きながら『未元物質(ダークマター)』を追い始めた。





同時刻、第五学区のとあるビル。

「おい、いたか!?」

気絶から回復した半蔵が手に持っている携帯に片っ端から訊ねていく。

『こちら、第五学区、東地区。未だ発見せず』

『こちら、第五学区、南地区。発見できてない』

『こちら、第五学区、西地区。まだだ』

『こちら、第五学区、北地区。もう少し待って欲しい』

第五学区に散らばったスキルアウトのメンバーから返事が来るが、どれも収穫はなかった。

「くそっ。捜索範囲をもっと広げろ!第七学区に残ってるメンバーにもデータは回したか?」

「ああ、回した!」

「探し出せ!どんな手を使っても良い!探し出せ!根こそぎあらいつくせぇええええええ!」

半蔵が悪人面になっていた。

「なぁ、リーダー。半蔵もあんな顔するんだな」

「……まぁ、アイツも男だってことだろう」

「俺、今のアイツだけは敵に回したくない」

「……俺もだ」

ビルの端に座っていた2人は恐怖に震えていた。

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