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八月二十一日 参【一方通行編】

夜になるに連れ染み込む様に流れて来た冷気に、夏という季節でありながら僅かに震えた綾峰は自らの手の平が汗ばんでいる事を自覚した。
ふぅ、と溜め息を漏らし回りを見る綾峰の眼下には百を越える電車が並んでいる。
しかしそのどれもが無人で人の気配も灯りも無い。
操車場、と呼ばれるこの場所は車で言う車庫のような場所だった。
完全下校時刻がそのまま終電という学園都市では比較的早い時刻に操車場からは人が消える。
綾峰が来た時には幾人か残っていたが、それも先ほど事務所の灯りを消して帰って行った。
既に1人となった綾峰は一方通行や御坂妹、そして上条当麻(ヒーロー)と御坂美琴(ヒロイン)が来るのを待っていた。
ここまででやれるべきことは全て終えた。
だから後は待つだけだった。
後は、一方通行と10032号が戦闘を始め、その途中で上条が現れて一方通行との死闘の末に一方通行を倒しハッピーエンド。
それでこの件は終わり。

「終わったら飯でも食うかねぇ」

そんな呟きを漏らした直後、綾峰のAIMセンサーに1人の人物が引っかかった。
透視を使い、感覚が反応する方向へと目を向ける。
既に闇が広がり始める逢う魔が時、その中心に楔を打つ様に立つ白いソレはゆっくりと歩いていた。
学園都市最強の能力者、一方通行(アクセラレータ)。
最強で最狂で最凶な登場人物の入場に綾峰の頬が緩む。

「まずは、1人目ご入場ってな」

瞬間、振り向いた一方通行と、目が合った。

「………え?」

にたり、と赤い絵の具を零した様な赤が一方通行の口に広がる笑みから漏れる。
その口が動き、言った。

『今行くからそこで待ってろよ、変態野郎』

綾峰の笑みが凍った。
とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第55話








「白井、夕食の時間だから食堂へ集合せよ。……御坂は? 私は外出届を見ていない、門限破りなら同居人と連帯責任で減点1つとみなすが構わんか?」

上条という少年との会話の最中に聞こえてきた足音に慌てて上条を御坂のベットの下に隠した直後、入って来た寮監が言った。
白井は寮監を部屋から押し出しながらその言葉に反論した。

「いえいえ、本当に急な用件ならば外出届など提出している暇は無いと思いますの。わたくしはお姉さまを信じて減点を受け取ることはできません」

ふと、そこまで言って白井は気がついた。
既に夕飯の時間だと言うのに何故御坂は帰ってこない?
確かにちょくちょく外出届を出さない時もあったし、変な事(上条関係)で朝帰りをしてきた御坂だ。
今日だってそういう用事かもしれない。
いや、その上条は御坂と白井の部屋に隠れている。
だとしたらそれ以外の用事という事になる。
此処最近で御坂が緊急事態に陥ってもおかしくない事件。

白井には、1つしか思いつかなかった。

白井は食堂の手前数メートルの所で前を歩く寮監に声をかけた。

「寮監、ひとつよろしいですの?」

「なんだ? 白井」

「わたくし急用ができまして、これからすぐに出かけねばならないんですの」

「何の用だ。もう風紀委員(ジャッジメント)も活動時間ではないだろう?」

「すいません、寮監。今此処で理由を述べても良いのですが、本当に急いでますの。失礼します」

そう言うと、白井は『空間移動』をしてその場から去った。

「なっ、白井!」

慌てて呼び止める寮監の声だけが残った。





透視を使っている自分と目を合わせた一方通行の言動に、綾峰はしばらくの間呆然と凍り付いていたが、現状を正しく理解した瞬間、一方通行に背を向けてコンテナの上を走り出した。
直後、悪寒がした綾峰は『空間移動(テレポート)』でその場から遮二無二逃げ出してそこより十数メートル離れた場所に移動した。
先ほどまで綾峰がいた場所にコンテナが放り込まれてきた。
轟音と共にコンテナ同士がぶつかり合い、その衝撃で飛んだ砂利が綾峰に襲いかかる。
慌てて黒い壁を作り防ぐと綾峰は『多重能力者』の格好になる。

「はッはァ!愉快に避けやがって。的当てでもやれッてかァ?あァ?」

先ほどより近い位置で一方通行の声が響く。
AIM拡散力場を元に位置を探すと、放り込まれたコンテナの上に白い姿を見つけた。
いつの間にかベクトルを操作して高速移動をしていたようだ。

「ナンデ…」

「何で俺がお前に気がついたかッてか?ンなもン聞いてどうする?」

「後学ノタメ、カナ」

「くはッ! 面白ェなァ、お前。この状況で逃げられるとか思ッちゃッてたりするンですかァ?」

笑みを浮かべる一方通行に綾峰の背筋が凍る。

(どこで間違えた? いや、どこで気付かれた? 少なくとも昨日まではそんな素振りすら見せてなかったはずだ)

綾峰は焦りながら自身の行動を確かめつつ、逃げ場を探す。
このままでは実験どころか物語の流れすら崩れてしまう。

「さァてそれじゃマヌケな野郎にクイズを出してやる。俺が今口に入れてるコレは何でしょゥか?」

そう言うと一方通行は口から何かを出す。
右手に掴まれたそれは、

「指?」

「セイカァイ! いやァ人間の肉ッてのは美味いのか不味いのかッてのが気になッてなァ。前の『妹達』の死体から指取ッて口に入れてみたら肉じゃねェッてよ。一本取られたぜェ、オイ」

瞬間、綾峰は思い出す。
原作中に10032号の実験の際、一方通行が10031号の指を口に入れて味見をしていた事を。
あまりにも小さな事だったので思い出したことの方が驚きではあるが、綾峰は自身の原作の知識の穴に顔をしかめた。

「ソレデ、気ガツイタカ」

「ああ、前にテメェが俺の能力を防いだ壁にそッくりだッたもんでなァ」

正に予想外の落とし穴に綾峰は舌打ちをした。

「さて、正解者にはコンテナに押しつぶされて死ぬか、レールをぶッ刺されて死ぬかを選ぶ権利が与えられますッてなァ」

声と同時にAIM拡散力場から一方通行が能力を使用した気配が伝わって来る。
綾峰は即座にその場から走りだした。
走りながら振り返った綾峰の視界にベクトル操作によって放り上げられた複数のコンテナとレールが映る。

「メンドクセーナァッ!!」

立ち止まり振り返った綾峰が声を荒げると、空中にあったコンテナやレールが地面に墜落した。

「あァン?」

即座に観察した一方通行はその正体をすぐに見破った。

「なるほど、重力に磁力か」

ベクトルの流れからそれを察したのか、あるいは観察力がずば抜けているのか、とにかく綾峰の行動を理解した一方通行はにやりと笑みを浮かべた。
一瞬で反射の設定を書き換えた一方通行は重力場の中に入ると、コンテナに”触れる”。

「なるほど、確かにこれじゃびくともしねェ、でも俺の能力には関係ないんだなァ、これが」

「ナッ!?」

瞬間、下に押し付ける磁”力”と重”力”のベクトルの向きを変えられ先ほどより更に加速したコンテナが綾峰に襲いかかった。







中心部から外れた位置にある橋の上。
街灯もなく、夜の中では三日月の光では充分な明るさではなかった。
その闇の中で小さな光がぱちぱちと弾けた。
それは少女が出した小さな雷。
レベル1くらいの『電気使い』なら誰でも使えるただの小さな電気。

それがレベル5と言われる御坂美琴の一番最初の雷だった。

幼い頃はその力に無限の可能性を考え、夢を見ていた。
だが、今の美琴にはその夢を見る資格すらない。
少なくとも、美琴はそう考えていた。
ふと、美琴は手を握り開いた。
それだけの動作。これができない人達がいる。

「……筋ジストロフィー、か」

呟いた言葉は病名。
生まれながらにして筋肉を自由に動かす事のできないという病気のことだ。
初めて美琴がその病名を知ったのはまだ幼い頃だった。
実際にこの病気にかかっている少年を見た事もある。
幼いながら、辛いだろうと思った。
そこに囁かれたのが悪魔の言葉だとは知らず、美琴は筋ジストロフィーの患者を救うために自ら進んでDNAマップを渡したのだった。
それが今では、軍用クローンというおかしな話に始まり、気がつけばクローンを使った狂気に包まれた実験へと変貌していた。
何が、おかしかったのだろう、と美琴は問う。
しかし、それに応えてくれる者などいなかった。

誰も救ってくれないなら自分でどうにかするしかない。

脳裏に浮かぶのは先月の事件の首謀者が最後に残した言葉。

『君も私と同じ、限りなく絶望に近い運命を背負っているという事だ』

今ならばわかる。
1万人程の『妹達(シスターズ)』、それを救う方法はたった1つ。
御坂美琴が死ぬこと。
それが美琴の限りない絶望に近い運命だった。



絶対能力進化(レベル6シフト)の根底にあるのは『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』がシミュレーションしたことによってできた結果だけ。
そのシミュレーションが狂っていたことにできれば実験は止まる。
再びシミュレーションしようにも『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』は2週間程前に大破している。
シミュレーションの際、『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』は前提条件として『超電磁砲(レールガン)』が一方通行に当たれば逃げに徹しても一八五手で死ぬ。というレベルであるとしている。
正確には『超電磁砲は一方通行に当たれば逃げに徹しても一八五手で死ぬ。そして一二八回超電磁砲を殺せば一方通行はレベル6に到達する』という前提条件がある。
つまりそのデータよりも美琴が弱ければ、それほどの価値がなければ、今まで『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の結果を鵜呑みしてきた科学者共にはそのデータの違いからどのようにシミュレーションが崩れるか理解できない。
理解できないということは修正もできないということだ。
そして結果が予想できない実験はプログラムのバグが修正できなければ強制終了される様に停止されるのだ。
そうすれば『妹達』は救う事ができるだろう。
御坂美琴が一方通行によって殺されることで、それが叶う。

そんな”夢”のような話の前に立ち塞がる男がいる。

『多重能力者(デュアルスキル)』、綾峰唯鷹だった。
美琴は綾峰が実験を守っていると未だに信じていた。
だからこそ、美琴が行おうとしている事を綾峰は止めに入って来ると考えていた。
だが、それは美琴にとって非常に不都合な事態だった。
綾峰が美琴を止めるなら美琴は綾峰と戦わなければならない。
先月の事件、木山春生との闘いをすぐ横で見ていた美琴には綾峰の強さがわかっていた。
戦えばまずぎりぎりの闘いになることも。
もちろん手加減などできよう筈がない。
手加減なんてしたらやられるのは美琴自身だろう。
それでは実験を止められない。
だが、もし本気でいったら美琴は綾峰唯鷹を殺してしまうかもしれない。
こんな美琴を慕ってくれている後輩の恋人をこの手にかけることになるかもしれない。
それだけが気がかりだった。

そこまで考えた後、美琴は震えていた。
命を確実に落とすこと、後輩の恋人を殺すこと。
血の気が引いて指は冷たくなり、足は震えている。頭の中にノイズが走っている様にも感じた。
それでも美琴は、たすけて、と言う事すら叶わない。
それを言いたい相手はいる。
言えばそいつは助けてくれるかもしれない。
誰よりも本当の意味での『強さ』を持つあの少年なら、きっと美琴のために立ち上がってくれるだろう。

でも、言えないのだ。
否、言ってはならないのだ。
それを美琴だけが言うのは卑怯なことだから。
たすけて、と言いたくても言えなかった、あるいは助けを求めることすら知らなかったのかもしれない少女達。
美琴のせいで1万人を越える少女達が殺された。
その罪を背負っている美琴が、1人だけ、たすけて、なんて言える筈もなかった。

言ってはいけないとわかっていた。
一度は求め、断られた言葉だった。

「………て…」

それでも、

「……けて…」

誰もいない場所でなら、

「たすけて……」

言ってしまっても良いのではないか?

「たすけてよ」

ぼろぼろになって耐えきれない言葉がこぼれていく。


















「……、なにやってんだよ、お前」

そんなこぼれた言葉も、美琴も、全部をすくうためにやってきた。

絶望の闇に堕ちかける少女(ヒロイン)の叫びを聞いて駆けつけた主人公(ヒーロー)のように、

上条当麻はやってきた。













荒ぶるあとがき!!

ヒャッハー!とか言えば荒ぶっていると思っている作者が通ります。
長らくお待たせしました。
というかもう皆待ってねえんじゃね?とか思ってるスザクです。
いやぁ、どうにか更新する手段は手に入れたんですが、どうにもリアルが忙しくて更新できませんでした。
いえねぇ、ほら卒論とか、ポケモンとか、ポケモンとかね!(こら
……本当、もうなんと皆さんに謝れば良いか。

とりあえずこれからはコメント返しは早いうちにしようと思います(当たり前の事だとおもいますが)

それでは、今日は久々に彼らの登場です!


「月詠小萌とー!!」

「姫神秋沙のー」

「「教えて!! 小萌センセー!!」」

「皆さんおひs「ザザザザザザザザザザザザザ」



「禁書目録とー!!」

「上条当麻のー!!」

「「とある質問のコメントコーナー!!」」

「久しぶりに私たちのコーナーだね!とうま」

「…………なんだろう後で上条さんが不幸になる気がします」

「それで、とうま。お便りは?」

「えっと、一通だけ届いてるな。
 ののじさんより、『前から聞きたかったんですけど。黒子様はお姉さまだとあんなにも変tげふん倒錯的な愛なのに、何故綾峰にはあんなにも奥手なのでしょうか?』」

「ふふふふふふふ」

「うおぅ、インデックスどうしたんだ? そんなどこぞの冒険漫画であるラスボス的な雰囲気だして」

「ゲストを呼ぶ時は魔術が使えるんでしょ?ならとうま、わたしが魔術を使う所を見せてあげる」

「え、ああ。まぁ。じゃぁよろしくお願いします」

「へーんしーん!」

「………は?」

~♪(超機動少女マジカルカナミン、テーマソング)

「ってそっちかよ! というかここは普通に魔術使ってみせる場面ですよ!? 何ハッチャケてアニメの真似してんですかインデックスさん!?」

「むー、とうま~? うるさいんだよ? へんしんに集中できないじゃん」

「もうゲスト呼ぶの関係ないですよね!?」

「あの、黒子はいつになったら呼ばれるんですの?」

「もうゲスト来ちゃったし!」

「もう一回いくよー。へーんしーん!」

~♪(超機動少女マジカルカナミン、テーマソング)

「とりあえず、えっと綾峰の彼女の白井黒子さんで良いのか?」

「彼女…///」

「ねぇ、この人本当にあの変態さん!? 俺が部屋入ったら御坂のベットの上でごろごろしてたってのに!」

「む、あの時も言いましたけど、変態とは聞き捨てなりませんの。人間、人には言えないもののみんな心の中ではこれぐらいオッケーと考えているものです、ほら好きな女の子のリコーダーに口をつけたり自転車のサドルをパクってきたり」

「だからしねーよ! 一体どうしたらそんな純粋な気持ちがそこまで歪んで表現されるんだ!」

「むー」

「ああ、もうとにかく話が進まないから置いとくぞ。で?質問いくけど良いか?」

「どうぞですの」

「なんでも御坂の前だとかなり愛を語ってるらしいが何で綾峰には奥手なのか?だとさ。ってか実際の現場を見たことないからよく分からねえんだよなぁ」

「まぁ、そうですわよね。わたくしとしては同じつもりですのよ」

「じゃぁ、ちょいと用意しといた物を見てもらっていいか?」

「はいですの」

「ここに御坂がくいかけのホットドックがあります」

「HYAHHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

「ここに綾峰の飲みかけのオレンジジュースがあります」

「///」

「よくわかった。全然違うな」

「んー、そのたぶんですけれど、何と言いますか。知識の偏りと言えば良いんでしょうか?」

「ん? 知識の偏り?」

「ええ、私もちろんお姉さまの事も唯鷹さんの事も愛してますの。でもわたくし自身も女性ですから、その、女性の心身についてはよくわかっているつもりですの。ですのでお姉さまに対してどのように動けば良いかもしっかりと心得ていますの」

「ふむ、なんかツッコミたい所があるけど、話進まないし続きどうぞ」

「でも、男性についてはよくわからないというか、その慣れてないというか///」

「あぁ、なんとなくわかった。ようは単純に男との恋愛に慣れてないだけってことか」

「そうですの、たぶん」

「まぁ、ありがとうな」

「それでは、失礼しますの」

ゲスト退場~。

「とりあえず変態だってことしかわらからなかったな」

「とうま?」

「? あれ? インデックスさん、どうしたんでせう? その何と言うか笑顔の後ろに阿修羅が見えるんですが」

「わたし、へんしんしたのに」

「はい?」

「わたし! へんしんしたのに!」

「いや、だってゲスト来てたんですよ!? ってストップ! このままだとこのコーナーが上条さんがインデックスに噛まれるコーナーって言われるってだからもう俺仕事したじゃん、真面目にやってるだけじゃん、もう不幸だー!」

「とうまの頭骨をカミクダク!」


ザザザザザザザザザザ


「………………わたしの出番」

「……姫神ちゃん、とりあえず挨拶はしますよー」

「「さよ~なら~」」




「さて、それじゃ行きますか。姫神ちゃん」

「うん。行こう。小萌」

「「作者の頭骨をウチクダク!」」




質問はいつでも受け付けて…いま…す、がくっ。

犯人は011 女臣…(ここから先は血で汚れていて読めない)

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