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七月二十日 壱

数ヶ月後、学園都市のどっかの場所。
綾峰は目の前の光景に唖然としていた。
そして、やっとのことで一言、

「へ?」

変な声を出した。
白井は頬を赤く染め、先ほど言った言葉を繰り返す。

「だから、2ヶ月目だそうです」

白井のお腹は既に中学生としてあり得ない形状をしていた。
つまるところ膨らんでいるわけだった。
それも太ったとかそういう原因ではない。
新たな生命がそのお腹に宿っていた。
綾峰は決心する。

責任取らないとな…と。


「っていう夢を見たけど、絶対他人に言えるわけねーだろ!コンチクショー!!」








とある科学の事件体質(トラブルメーカー)第9話







「いや、おかしいとは思ったんだ。だって2ヶ月だってのに明らかにあれは6ヶ月とかそこら辺の大きさだよ。ていうか、白井とそんな仲じゃねーっつーの。あれはどちらかっつーと妹だ。妹。うん」

あまりに衝撃的過ぎた夢の内容にいつまでも引きずってしまっていた綾峰は朝食を食べながらも独り言を漏らしていた。

「はぁ、メンドクセー。なんであんな夢を?というか昨日夕飯に呼んだからか?」

(確かに、あいつの料理が意外とイケたのは否定しないが……はぁ、メンドクセー)

まだ朝なのに既にげっそりな綾峰だったりする。



昨夜の停電のため冷蔵庫が使えないので、保存食を買いに行くことにした。
近くのスーパーにでも行こうと決める。
学生服に着替えて綾峰が外に出ると、何か銀髪のシスターと出会った。

「「………………」」

「こんにちわ」

「へ?あ、ああ。こんにちわ」

どう見ても外国人であるシスター少女が普通に日本語を話しているのに驚いて綾峰は一瞬戸惑いながらも挨拶を返した。

「えっと、何してんの?」

綾峰としてはあまりこういった宗教な人とは関わりたくはなかったが、そのシスターが清掃ロボットの上に乗ってそれをポコポコと殴っていては話は別だった。

「とうまと話してたら、私のフードがこのアガシオンに食べられちゃったんだよ。どうしよう。てかどうすればいい?」

とうま=当麻なんだろうなぁと考え、またあいつどっかでフラグ拾って来やがったかと腹が立ち、綾峰は盛大に舌打した。

「えっと、えっと、何か私悪い事したかな?ていうかいきなり舌打はかなり怖いかも」

「あ?ああ、わりぃ。シスターさんにしたわけじゃないよ。単に有効フラグが大量にあるくせに一つも回収しないどころか更に溜め込んでる馬鹿がいるからさ、つい」

「フラグ?旗を集めてるの?」

「いや、あんま気にしないで。んで、フードってどれくらいの大きさ?」

「え?えっとこれくらいかな」

そう言ってシスターが手で示したのは結構な大きさだった。

「ふーん。それぐらいの大きさだとしたらこいつは食わないと思うよ。ある程度認識してるはずだし。どっか、別のとこに落としたんじゃない?」

「そうなの?じゃぁ、どこだろ。とうまの部屋かな。でもとうま出かけちゃったし…」

同棲中なのか?同棲中なのかよ?と心の中でつっこみ、仕方なしに綾峰は提案する。

「あるいは風で飛んでったのかもよ?あいつが帰ってくるまで探してみるのも手じゃないか?」

「うーん、そうだね。そうするよ。ありがとう」

「どういたしまして。それにしてもシスターに知りあいがいるなんて上条も隅におけないな」

「へ?とうまのこと知ってるの?」

「あー、同級生だからな。俺は綾峰 唯鷹(あやみね ゆたか)。君は?」

「私は、インデックスっていうんだよ」

「ふーん。面白い名前だね。それじゃ、俺はこれから買い物があるから。またな」

「うん。ありがとね。ゆたか。ばいばい」




そして、インデックスと別れた綾峰は思い出す。

彼が昔読んだ”物語”を。

(確か、あの物語の始まりは上条の家にインデックスがやってくることから始まるんだよな…)

考えながらエレベーターのボタンを押して、更に思考に潜っていく。

(そして最後に”上条”は死ぬ、か。ふぅ、メンドクセーけど。こっちもどうにかしねぇとなぁ。俺的には”上条”には死んで欲しくねぇし……って今日も早速戦いがあるんじゃなかったか?あー、もうもっとしっかり読んどきゃ良かったな。確か上条が三日間寝続けるってことがあって、あいつが目覚めた日の夜中が最後だったか?)

ちっと綾峰は舌打をする。
なまじっか”知っている”がためにどうすればいいか迷う。
どこまで介入するか、ということにだ。
そこまで考えて、やっと来たエレベーターに乗ると、ため息を吐いた。

(どちらにせよ。最後は”全員”が笑えるエンドが良い。)

誰かが犠牲になるのではなく、誰もが笑うそんな終わり方。
原作では、上条は”皆”を幸せにして物語を終えた。
己を含めない”皆”を。
だからこそ、綾峰は決めている。
その”皆”を”全員”に変えるということを。
だからこそ、確実に変えるのか。
それとも初めから変えてしまうのか。
そのタイミングを計りかねていた。





「綾峰せんぱーい!」

スーパーに向かって歩いていると聞きなれた声がした。
回りを見ると、道路の反対側から初春がこちらに向かって手を振っていた。
綾峰は手を振りながら信号を渡ると、声をかけた。

「よう、初春か。風邪の調子はどうだ?良くなったか?」

昨日、初春は風邪で寝込んでいたと、白井に聞いていたのだ。

「はい、おかげさまでだいぶ良くなりました」

「つっても俺は何もしてねーがな。んで?そっちは同級生か?」

「は、はい!私佐天 涙子(さてん るいこ)って言います!」

突然話を振られてびっくりしたのか佐天は元気な声で返事をする。

「そか、それじゃ、俺はこれで」

綾峰がそう言って買い物に戻ろうとすると、

「ま、待ってください。私見せたい物があるんです!」

佐天が綾峰の腕を掴んで待ったをかけた。

「へ?俺に?何を?」

突然のことに綾峰は驚く。

「ふっふーん。それは茶店についてからのお楽しみですよ」

そう言って佐天は返事も待たずにレッツラゴーと言いつつ先に歩いていってしまった。

「はぁ、なんつーか、行動力のある子だな」

「はい、私の親友です」

初春が嬉しそうに言う。

「そいじゃ、行きますか」

そう言って綾峰は初春達についていった。

(どうせ、夕方まではまだまだ時間あるしな……)




喫茶店に行くと、佐天が窓にひっついた。
どうやら知りあいがいたらしい。

「綾峰さーん、初春~。見てみて、御坂さんと白井さんだよ」

「ッ!!」

「あ、ホントですねー」

白井という言葉に綾峰はつい今朝の夢を思い出してしまう。

(何かもう一人いるけど女性だし、いずらそうだから俺は帰るかな……)

「後は、あいつらに任せ「あ、こっち気付きましたよ!」……はぁ、メンドクセー」

そう言って綾峰がうなだれる横で佐天は中の2人に手を振っていた。





「私は木山 春生(きやま はるみ)。大脳生理学を研究しているものだ」

「あ、どうも初春って言います。白井さんとは風紀委員の同僚です」

「おなじく、風紀委員でこの2人の上司やってます、綾峰です。よろしく」

「うむ、ヨロシク」

そう言って木山は眠そうな表情で頷く。
結局、6人で座ることになっていた。
順番は、窓から御坂、初春、綾峰、反対側は佐天、木山、白井だった。
初春と佐天の前にはパフェが置かれ、綾峰の前にはアイスミルクティが置かれていた。

「それにしても何で脳の研究者なんかと話してたんだ?白井の脳に何か問題が!?」

「かわいそうに、白井さん」

「先生!!うちの白井は大丈夫なんですか!?」

「残念ですが、綾峰さん。白井さんは先天性お姉さま病にかかっています」

「そんな!?どうにかできないんですか!?」

「残念ですが…現代の学園都市全部の科学力をもってしても……」

「っていきなり失礼ですわね!?『幻想御手(レベルアッパー)』の件で相談してましたのよ!!」

綾峰と初春が始めた漫才に白井がキレる。

「何かわかったのか?」

「いえ、それがまだ何も……」

「あ、それなら私「ただ、『幻想御手』の所有者を捜索して保護する事になると思われますの」……」

「……何かあったのか?」

「まだ調査中ですのではっきりとした事は言えませんが、使用者に副作用が出る可能性があること、そして急激に力をつけた学生が犯罪に走ったと思われる事件が数件確認されているからですの」

「まぁあれだけの力だからな。副作用があり得なくはないか」

綾峰は先日の『量子変速』のことを思い出してぽつりと言った。
ふと、初春は佐天の動きが止まっていることに気がついた。

「……?佐天さん。どうかしました?」

「え?あ、いや何でも…ああ!」

いきなり話しかけられて驚いたのか、佐天は手で木山のアイスコーヒーの入ったコップを倒してしまった。
そしてアイスコーヒーはそのまま木山のストッキングにかかってしまう。

「わー!す、すいません!!」

慌てて拭くものを捜す佐天だが、それにたいして木山は、

「構わないよ。かかったのはストッキングだけだし、脱いでしまえば…」

「ぶっ!!」

いきなりストリップを始め出した。

「だーかーらー!!人前で脱いじゃダメだと言ってますでしょーが!!」

それを白井が叫んで止めさせる。

「し、しかし起伏に乏しい私の肢体を見て劣情を催す男性がいるとは…」

「趣味思考は人それぞれですのっ!それに殿方で無くても歪んだ情欲を抱く同性もいますのよ!」

「女の人が公の場でパンツが見えるような事しちゃダメですっ!」

((それお前らのことじゃん))

某レベル5と某花畑が心の底からシンクロした瞬間だった。

「………………」

「って、綾峰先輩もいつまで見てるんですか!!鼻の下が伸びきってますわ!!」

(いや、仕方ないんだ。これは仕方ない欲求なんだよ、白井)

そう、男には黙って見なければならない時がある!!(カッ

「知りませんわ!!」

「すいません、ありがとうございます。そしてさようならああああぁぁぁぁぁ!!」

居心地の悪さにうわー、と綾峰は一気に駆け出してファミレスを出ていった。

「………私は特に気にしないのだが」

「「そういう問題じゃないです!!」」


数分後、綾峰がダッシュで戻ってきた。
そして、テーブルにミルクティ代のお金を置いていくと、またうわーと言いながら駆けていった。
意外と細かい綾峰だった。

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